欧米にあわせるのが文化の発展に寄与するのか?

今話題の著作権保護期間延長論。
筆者の考えについては、単純に著作権保護期間を拡大することには反対だ。
もっといえば、これ以上、著作権として保護期間を拡大する必要もないし、むしろ害悪でしかないと思っている。
しかも、現在の主張は、欧米にあわせることこそが目的であるようにしか聞こえてこない。
これがどう文化にとっていいのか、そこを説明するべきだし、報道されるべきだろう。
世界基準にすべき、というが、世界基準が妥当かどうか、ということはわからないのである。
公共財が失われることこそが、知財立国にほんの財産的損害ということもできるのである。


以前に拡大著作権論 - 言いたい放題というのを書いたが、
もし延長というのであれば、別の観点から延長するべきである。
もっとも、この場合現行条約上は他国で保護されず、賛同を得られないかもしれないのが。
この数十年、国際的にも、保護期間がねずみ算式に延長されてきた。
しかし、国際的に保護期間をのばしていく傾向にあること自体、憂慮すべき事態だと思うのである。
延長合戦にならないように、むしろ保護期間を最長期間を定めることも検討すべきではないだろうか。
それを単に他国にあわせるべきという議論の出発点が失当であろう。


また、「延長により作家の創作意欲が高まる。」というのであれば、遡及させる必要はないだろう。
改正後に創作されたもののみを保護すればたりる。
加えて、すでに死後50年保護されている現行法でも、配偶者や子どもへの手当は十二分と思うのだが。


そういうわけで、筆者の立場としては、

著作権の保護期間を「著作者の死後50年」から「著作者の死後70年」に延長することを求める要望が出されました。 著作権関連16団体、著作権の保護期間を「死後70年」に延長を求める共同声明 http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/09/22/13380.html あなたは、著作権保護期間の延長に「賛成」ですか、「反対」ですか?

著作権保護期間の延長に
賛成 381
反対 1114

反対である。


保護期間を欧米並というなら、せめて欧米並に利用されやすい状況をつくってからものを言え、といいたい。
iTunesStoreの今の品揃えを見る限り少なくとも日本レコード協会、お前が言うな、である。