尼崎列車事故、さらにいろいろ…。

まとまりのない文章ですが…


尼崎列車事故から10日が経った。
どうやら主原因は速度超過という運転手の人為的原因によるところが大きい。
推測だが、過密ダイヤであることからすれば、彼がオーバーランをして1分30秒遅れた時点で、
その1分30秒については運行中には取り返せないものだったということになるのだろう。
(筆者としては8mで1分30秒おくれるのと40mで1分30秒おくれるのでは、後者の方が合理的であるのだから、
 ダイヤの遅れという点でいえば実は後者の方が仕方ないということになる。
 オーバーランそのものの帰責性は別として。
 にもかかわらずこのような嘘をついたのは、オーバーランは単に距離を絶対評価して非難し、
 遅れも単に時間を絶対評価して非難していたからであろう。)
とまるべき駅に停まる、という誰にでもわかることができなかったことが問題だったのである。
もちろん、人間である以上ミスはする。したがって、その場合にどうするか、ということを考えておくことが必要になる。
例えばダイヤに余裕が(制限速度以下で走っても十分間に合うので)あれば、
速度アップにより回復できたのであろうが、この線のこの時間帯の場合そうではなかった。
そうだとすれば、バックアップ方法をきちんと教育してこなかったことが、
そもそも教育する側がどういう想定をしていたかも含めて、問題だったということになる。
これが日勤教育の実態として指摘されているところであるが、より端的にいえばそういうことのように思う。


そして一応この際に考慮することとしてダイヤの妥当性がある。
過密ダイヤにして輸送効率をあげることは、速度アップや混雑緩和になり客にとっても利益となる。
そして、混雑する朝の時間帯においては、そのことはとくに社会の要求である。
したがって、理論上は全区間制限速度いっぱいで走って、最低停車時間で移動することを考えてダイヤを組むこともできる。
ただ、この場合一切のアクシデントが許されないことになる。なにか一つおくれればすべてのダイヤが乱れることになる。
一切アクシデントがない、ということはない。この場合かえってダイヤが乱れ、全体的な運送効率が乱れることになる。
そこで、アクシデント率も勘案して、ある程度の余裕はもって、ダイヤを組むことが必要となる。
前回のダイヤ改正で停車駅が増えたにもかかわらずスピードアップしたという報道もある。
(ただ、単純にダイヤ改正前後で所要時間を比べるのは妥当でない。
 ラッシュ時にはそうでないときより所要時間が多くなっていることもある。)
もしその結果、バックアップ用の余裕がなくなっていたとすれば、
実はかえってダイヤを乱す原因を会社側(ダイヤ作成部門)がつくっていたことになる。
恒常的遅れも指摘されるなから、安全性は別として、本当に最大効率を図ったダイヤだったかというと、
その点でも疑問が残るのかもしれない。


ところで、沿線の人はこの事故により代替機関の利用も余儀無くされている。
結果としてそういう点でも大迷惑だったことになるのが、いつ復旧するのか、
現場検証が終わり、設備を修理すれば再開できるか、ということが問題になる。
もちろん、原因が人的要素であることが大きいことからすれば、特異な事故であるからそう起こるものではなく、
特段の措置は必要ではないようにも思える。
しかし、事故後に運転手がプレッシャーでオーバーランが多発している状況では、
さらなる事故もあるのではないか?という乗客の不安も解消する必要がある。
そして、事故の大きさからすれば、その不安は無視できないものである。
上記のようなダイヤ維持という観点から、また危機管理という観点から、
なんらかの事故防止策をとることが必要のように思われる。
実際に事故が起こった以上、想定される「ありうる」事故であり、それに対応できないようでは、
安全への危機管理能力が著しく劣っているものと言わざるを得ないであろう。


今回の事故については、大きく言えば、遅れないようにすること、
遅れた場合でもスピード超過しないようにすること、が端的な回避策であるといえる。
前者を中途半端な運転手教育で済ますなら、今までの何のかわりもない。
意味のある日勤教育にすることは当然である。しかし、これ自体速効性があるとはいえない。
とすれば、「遅れた場合でもスピード超過しないようにすること」が必要である。
そのためには、最低限、速度監視装置を最新のものにする必要があるように思う。
特に今回の減速では、120km/hのものをいきなり70km/hにすることは物理的に不可能なわけだから、
その点にも十分考慮するべきである。一ブログで指摘するまでもないだろうが。
あとは併行して検証するべきである。
批判する報道もあるが、別に1秒ずつ到着時をチェックすることはかまわない。
これで恒常的にダイヤが乱れていることがわかれば、そのダイヤはおかしいのである。
その場合にはダイヤそのものを見直す必要もある。


この点に関しては、当初JRは新型装置の設置をしないままの再開を示唆していたが、
国土交通大臣はそれを最低限の条件とした。当然である。
今は宝塚尼崎間は上下線とも運休しているのであるから、すぐにでも取り付けれる。
事故区間以外はやろうと思えばいつでもできるのである。
なぜそれをすぐにやろうとしなかったのか?全く不思議でならない。
結局安全に対する村上恒美安全推進部長(常務)の安全への意識はその程度だったのである。
こんな取締役次の株主総会で解任しなさい。>株主のみなさん。
株式会社である以上、私は「稼ぐ」という目的自体は否定しない。
しかし、そのためには「安全」であることは必要であるし、会社のイメージも大事なのである。
経営陣の対応は、「稼ぐ」ためには「安全であるべき」ということだけでなく、
おきてしまったことにどう対処するのかという誠実さが欠けており、
これも会社の企業イメージや信頼感を失わせるのもので、「稼ぐ」ということに反していると言わざるを得ない。


他にも事故車両に乗り合わせていた運転士の件もあった。
森ノ宮電車区の運転士(59)、尼崎電車区の運転士(27)をどこまで責めるかは難しい。
彼ら自身被害者でもあるし、上司への連絡をした上での出社である。
人間としてどうか?JR関係者としてどうか?といえばやはり誉められたものではないが、
(救助活動した方がいいですね?とひとこと言えなかったのか?と言い出すとキリがないし、)
会社としては一サラリーマンであり、上司との関係を考えると(JRのみならずとも、)
彼らをJR関係者として非難するのはあまりに酷であり、あとは彼らの人間性に委ねたい。
問題は、その上司である。
自社の起こした事故なのだから、そもそも事故を認識しようとしなかったことが問題である。
その上で彼らの一応の無事を確認をしたのなら、現場で救助活動をさせるべきだっただろう。
判断能力が著しく欠如していると言わざるを得ない(平時対応しかできないなら誰でもいいんだよ、極端なハナシ)。
私が人事関係者なら少なくとも当該上司は降格である。少なくともそんな人間に管理する仕事は任せられない。
今現在謹慎なのかどうかも聞きたいなぁ。少なくとも今も同じ仕事をさせているのは問題である。
それから、ボーリング大会…。
列車がマンションに突っ込んで倒壊の危険もあったのに、自分らはボールでピンを倒していたのね。
JR西日本天王寺車掌区長(53)も最低更迭やね。もちろんクビでもいいけど。
前述の係長に比べて役職が高く判断能力が高度に要求されている一方で、
係長と異なり事故についてくわしく認識していたといえる。
総合的に判断すれば、「反省している」では済まされない。
誰にどういう処分をするのか、これらの失態についての信頼を取り戻す最後のチャンス。


起きてしまった事故はどうしようもない。
起きないようにする努力は当然だが、起きてしまった事故以上それにどう対処するかも重要なことである。
管理者側の危機管理があまりにも出来ていなかったと言わざるを得ない。
代表取締役及び担当取締役は全員報酬100%カット、担当以外は監督ということで30〜50%カット、
代表取締役及び担当取締役は一くぎりついたら総退陣して、退職慰労金カット、
もちろん関連団体への再就職も禁止ということでどうかな?
まぁ、こんな無能な人を雇うのもどうかと思いますが…。