「オールイン」の韓国人原作者vs.NHK

う〜ん。難しい。

「オールイン」の韓国人原作者、著作権侵害訴えへ
2005年10月15日22時51分
 韓国ブームを代表する一人、イ・ビョンホンさん主演で人気を呼んだNHKドラマ「オールイン 運命の愛」(制作・韓国SBSプロダクション、原題・オールイン)を日本で小説や漫画で出版したのは著作権侵害だとして、原作者の盧承日(ノ・スンイル)さん(62)が近く、NHKグループの日本放送出版協会講談社を相手取って出版差し止め仮処分や損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こす。
 「オールイン」は、ギャンブルの天才が米国に渡り成功するアクション・ラブストーリー。韓国で民放SBSが原作を大幅に脚色して03年春まで放映。その後、SBSの子会社であるSBSプロから日本のソフト販売会社を経てNHKが放映権を獲得した。
 日本での放映に合わせて日本放送出版協会は昨年5月、ドラマの台本を基にした小説を発行し、今春には講談社がコミック本を出した。
 盧さんの話では、SBSのドラマ化については契約したが、日本で出版物になることは知らず、事前の承諾もなかったという。特に日本放送出版協会の本には著者として名前が載り、「内容が原作とあまりにもかけ離れているため不本意だ」としている。
 トラブルの背景には、日本で出版物になるまでに複数の会社が入り権利関係が複雑化したこと、ドラマになる時点で原作を大きく改変されたことがある。当初の盧さんとの契約に関して、SBSプロは「テレビドラマ化する時点で、契約内容にあいまいな部分があったかもしれない」と話す。
 日本放送出版協会の話 小説の発行にあたり、テレビドラマの展開権を有するSBSプロより出版権の許諾を受けた会社から出版の許諾を受けており、当協会としては「原作者の承諾なしに本を発行している」事実はないと考えている。
 講談社の話 契約上、何ら問題はないと考えている。
http://www.asahi.com/national/update/1015/TKY200510150218.html

韓国版「オールイン」自体が「原作を大幅に脚色して」らしいが、どうもここは問題になっていないらしい。
翻案権は適法にクリアされていて、同一性保持権侵害もないということだろう。
もっとも、韓国に同一性保持権なるものがあるかどうかは、調べていない。
韓国でそういったものが認められていなければ、日本でのみ問題となることになるけど、そういうことではいような。
韓国内でのことが問題でなくて、日本での出版が問題ということのようだが、
「出版権の許諾を受けた会社から出版の許諾を受けており」ということだが、
出版権許諾を受けたからといって当然に他人に許諾できるものではないし、
出版権設定でも同様であって、SBSプロが許諾権者かどうかということが問題になるような気がするのだが…。
また翻案翻訳権(日本語ドラマ化等)についてはどうなの?とか、その際の同一性保持権はどうなの?とか、切り口はたくさんある。
「内容が原作とあまりにもかけ離れているため不本意だ」ということからすれば、同一性保持権の問題が大きいように思うのだが…。
記事からはちょっとわからないのだが、争点がどこになるのかが気になる事件である。