拡大著作権論

なんとなく書いてみた。
自分でもこれでいいのかどうかはよくわからない。
あたまの中でもやもやっと考えていることをなんとなく書いたバージョン。
まだまだまとまってないんですけど、建設的なご意見は歓迎します。
何それ?は読み飛ばしてください。


特に映画著作物で権利者が保護期間の長期化を求める一方で、
利用者側がで、レコード事業者に対してbenli: Respect Your Music Campaign 案1という要望がなされたりしている。
はっきりいって、今の権利保護機関は長過ぎる。
著作物の創作活動は本来、既存の著作物に依拠してなされるものであって、
保護期間の長期化によって、パブリックドメイン入りが妨げられ、利用が阻害される。
しかも、一方で、保護されつつも放置されている著作物さえある。
このような事態の打開策はいくつかあるだろうが、前から思っている一試論を提示してみたい。


筆者は現行日本法の死後ないし公表後50年の保護期間で十分だと思っている。
創造サイクルということを考えると長過ぎるが、
個人創作者のインセンティブ、生活財産を保護するというという権利設定の目的からすれば、
(死後50年は検討の余地もあろうが、)許容できる範囲内に思うのである。
(もっとも筆者は、現在の世の中のサイクルを考えると、保護期間を短縮して20〜30年くらいでも十分に思うのだが。
 つまり、時代の発展により、保護期間は長期化に指向するのではなく、短期化に指向するのではないかと。)
このように考えると、これ以上の著作権保護期間の長期化は、
創作者の財産権を強調しすぎ、それによって果たされるべき文化の発展が阻害されるという本末転倒な事態に陥るのである。
もっとも、もし映画のようにその期間で投下資本を回収できないというのであれば、
既存の著作権保護期間終了後に、別途、登録税を支払って登録し、例えば5年ごとに更新する、という制度にしてはどうか。
ごく一部の権利者の主張にあわせて長期化することは文化にとってデメリットでしかない。
そうだとすれば、必要に応じて、例外的に保護すればいいのである(拡大著作権)。
つまり、拡大著作権を認めることで、比較的長期的に投下資本の回収の必要な著作物を保護するということである。
もっとも、保護期間を長期化することは文化の発展を阻害する側面も有する。
そこで、拡大著作権については、(通常)著作権に比して弱い権利性しか認めない、
より利用することによる文化の発展に配慮した権利内容とするのである。
そして、この拡大著作権については、産業保護的側面も否定せず、
特許権などと同様(類似)に、営利利用に関してのみ権利が及ぶとしたり、
また、翻案権については、再利用による文化発展を阻害するので、別途登録税が必要、というのはどうだろうか。
そして、翻案権以外については、比較的長期にわたって保護してもよいが、
翻案権については、例えば更新は2回のまでという形で限定する。
要するに、デッドコピーとそれに準じるようなごく限定的なものだけを保護するのである。


とはいえ、では権利拡大の筆頭、某ネズミ依存会社はこれで納得するかというと疑問である。
例えば、ネズミの映画を登録した場合に、ネズミのキャラクターそのものがどの程度保護されるのかということは争いになるだろうし、
キャラクターそのものを保護するように行動するだろう。
結局はネズミのキャラクター対する過剰な反応を押さえつけるだけの力しか持たないかもしれないが、
それでも、不必要に著作物の塩漬け状態が広がるよりはマシなのではないかと思うのである。
妥協の産物として考えてみたがどうだろうか。
もっともRespect Your Music Campaign 案1のように、
権利者が積極的に著作物を開放すれば、こんなことを考える必要性は低くなる一方で、
権利を不当に拡大することにもなりかねない。オトシどころが難しい。