試験問題と著作権

過去に幾度となく触れているこの問題。

エンドユーザーの見た著作権
赤本では受験勉強がままならない時代
http://himagine9.cocolog-nifty.com/watchdogs/2006/05/post_0036.html

 『入試過去問と著作権を考える blog』さんの記事。このブログさんがセンター試験当時に懸念されていた通り、センター試験向けの赤本で今年の試験問題の一部が掲載されなかったそうです。赤本の公式サイト(数学社)で調べてみると、確かに「編集の都合上、以下の問題を省略しています。/ 2006年度 本試験 第1問」との説明があります。

との記述がありましたが、
赤本だけでなく、大学入試センターホームページの本試験問題紹介

大学入試センター-平成18年度センター試験(本試験)正解
http://www.dnc.ac.jp/center_exam/18exam/18hon_mondai.html

でも、国語のPDFファイルは、

(この部分につきましては、著作権の問題により、公開できません)

となっています。なお、

出典 別役実『言葉への戦術』(「別役実評論集」烏書房 昭和57年)P146〜150

アマゾンで検索したところ、上記書籍はヒットせず。
許諾しないは、売ってないわで、どうやって手にいれるんでしょう?
その他参考:http://www.bk1.co.jp/product/728630
それとも、大学入試センターはタダでないと載せないというスタンスで、金額が折り合わなかっただけ?
なぜ権利の問題で公開できないのか知りたいところ。
詳細な事情がわからないので、権利者だけを責めることはしませんが、
一般論としてあまり頑な態度をとっていると、
かえって立法政策上、あるいは法解釈上、権利制限されかねないということは認識すべきでしょう。
この点、管理事業者には応諾義務のあるので(管理事業法16条)、使いやすいなあという気はします。
まあ先生が書籍を手に入れて自分の生徒に配布して授業中に解かせるのであれば、なんとかOKでしょうか。


ちなみに、

http://www.yomiuri.co.jp/nyushi/center/06/1/exam/342/1.htm

で手に入るそうです。権利処理していないのか、権利者の納得のいく金額で許諾を得たのか。
新聞社の新聞への試験問題掲載に際しての権利処理は以前から気になっていたところなので、
ここからいろいろ探っていくとおもしろそうです。