1953年問題仮処分決定

速報
記事を書くより先に決定がでた。あー。

東京地決平成18年07月11日平成18年(ヨ)第22044号著作権仮処分命令申立事件
http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?action_id=dspDetail&hanreiSrchKbn=07&hanreiNo=33305&hanreiKbn=06

(4) 債権者の主張2(2)について
債権者が提出した文献のうち,文化庁長官官房著作権課「著作権テキスト
~初めて学ぶ人のために~平成17年度」(甲15)及び文化庁著作権法
入門(平成16年版)」(甲16)には,文化庁長官官房著作権課「解説著
作権法の一部を改正する法律について」コピライト2003.8号(甲5)
と同様,昭和28年に公表された映画の著作物にも,保護期間を公表後70
年とする本件改正法が適用されることが明記されている。しかしながら,上
記各文献の見解は,文化庁の見解を示したものにすぎず,法案を提出した文
化庁が主観的にそのような意図を有していたとしても,本件改正法附則1条
及び2条の文言上同見解が採用できないことは,前記(2)に判示したとおり
である。
また,加戸守行(元文化庁次長)「著作権法逐条講義三訂新版」(甲17),作花文雄(元文化庁著作権課課長補佐)「詳解著作権法第3版」(甲
19),佐野文一郎(元文化庁著作権課長)・鈴木敏夫「新著作権法問答」
(甲20),佐野文一郎「著作権制度改正の概要」ジュリスト452号(甲
21),吉田大輔(元文化庁著作権課長)「明解になる著作権201答」
(甲22),文化庁「最新版著作権法ハンドブック1987」(甲23)及
び著作権法令研究会「著作権法ハンドブック」(甲24)の各文献では,い
ずれも,昭和7年1月1日以降死亡した者の著作権が現行の著作権法により
保護されること,すなわち保護期間が昭和45年12月31日までのものに
ついては,昭和46年1月1日施行の現行の著作権法により,さらに保護を
受けられることが明記されている。しかしながら,上記各文献は,いずれも,
現行の著作権法の適用関係についての文化庁又はその関係者の見解を示した
ものにすぎず,本件改正法附則2条の解釈を示すものではない。また,田村
善之「著作権法概説第2版」(甲18)も,上記文献(甲17)の記述を引
用したものにすぎない。