私的録音録画補償金制度改定問題

常日頃思っていることを。
1.そもそも私的複製は権利者の経済的利益を不当に損ねるのか。
  →「私的」複製である限り「否」では?
2.デジタル私的複製は権利者の経済的利益を不当に損ねるのか。
  →「デジタル」と「アナログ」で経済的価値が異なるだとすれば、むしろ当初の許諾料金を違えればいいのではないか。
   個別還元できるのであるし、JASRAC文化庁はこちらを本筋とすべきではないか。補償金制度はあくまでも過渡的なものである。
3.補償金制度のあり方
  (1) 汎用機に課金するのであれば、返還制度が確立していなければならない。
    →現状、媒体についての返金の可能性があるにもかかわらず、返金制度が確立しておらず、問題外である。
  (2) 課金対象となるデジタル対象
    →・DRMDRMでコントロールすれば足りるので、対象外。なお、DRM外しはできないことになっている。
     ・まして、iTunesiPodはそもそも複製が予定されているのであるから、iTunes購入楽曲しかいれないのであれば、対象外というべき。
4.ダビング10は本質的にはメーカーと権利者の規格の問題なので、著作権法改正議論とは切り離されるべきではないか。

追記
はてブで「なお、DRM外しはできないことになっている。」の点については不正確との指摘を受けたので、こちらにもその旨掲出しておきます。
法文上の「技術的保護手段」 < DRM というのはまさにそのとおりです。そもそも何が「技術的保護手段」でその「回避」にあたるのかは多いに議論できるところだと思います。
(このあたり時間があればやってみたいところですが、少なからず技術的はハナシもあって、いろいろやる時間がありません。)
DRMが外せる前提であれば(もちろん絶対なんてことないけれども)、DRMとしては機能しないことを意味するので、
(少なくとも簡単には)外せる前提で作っていない、その程度の意味で捉えておいてください。
もっとも、この点と関連して、権利者から、回避が禁止されている保護手段であれば、対象としないという主張はでてきそうです。
いずれにせよ、(法が回避を禁止しているまででなくとも)相応の保護技術が施されている場合にまで、権利者の利益が不当に害されている、ムリのある話のように思います。
むしろDRMの内容によっては、アナログ時代に比べて、利用者の文化的利益(タイムシフト、プレースシフトの利益)の方が害されているということも可能かもしれません。
DRMが幅のあるものであることを考えると、
3.(2) 法律上原則課金対象であっても、政令、省令委任する形で、課金対象外となるDRM形式を規定する、
とするなど、DRMとの調整が必要不可欠ではないかと思います。