岡本薫氏のための憲法講座

インターネット時代の著作権―もうひとつの「人権」 (2004年版)

インターネット時代の著作権―もうひとつの「人権」 (2004年版)

を軽く読んでいるのだが、この本はかなり胡散臭い。
確かに、人権は大切だ!という部分は評価できる。
しかし、どうも著作権が再優位の人権であるという理解であるように思われるのである。

著作権は『人権』である、ということに関係して是非知っておいていただきたいことは、著作権は『規制ではない』ということである
岡本薫『教育関係関係者のためのインターネット時代の著作権-もうひとつの「人権」2004年版』14頁(全日本社会教育連合会,2004)

著作権は人権だからといって他の人権の衝突の可能性は否定できず、
特に表現の自由との衝突については議論されているところである。
(上記中山代志子助教授の論文など)
つまり著作権法上の著作権表現の自由を規制するという場面は否定できないのである。
にもかかわらず、「著作権は『規制ではない』」という。
こんな本が「教育関係関係者のため」に使われるのでは、
著作権のみならず憲法の理解についてもミスリードされかねない。