裁判所の過保護決定、裁判所が騙されないようにね。

氏名住所不詳でも提訴可能 振り込め詐欺の救済に道
 振り込め詐欺おれおれ詐欺)被害者が金を取り戻そうと、振込先に指定された片仮名の口座名義人を相手に提訴したところ、富山地裁が「被告の氏名や住所を特定していない」と“門前払い”していた裁判で、名古屋高裁金沢支部は5日までに、地裁の命令を取り消す決定をした。
 安江勤裁判長は「裁判所が銀行に照会すれば漢字氏名や住所が明らかになると予想できる」とし「被告の特定が困難な事情があり、原告側が特定のため努力をしている例外的な場合には、裁判所から銀行への照会をすることなく直ちに訴状を却下することは許されない」とした。
 原告側弁護士によると、こうした高裁判断は初めて。訴訟に頼らざるを得ない振り込め詐欺の被害者救済に、道を開く決定となった。
共同通信) - 1月6日2時3分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050106-00000008-kyodo-soci

以前(http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20041128)にも書いたが、
一般論としてどこまで許容するのか、判決文がわからないのだが、ごく例外的な場合に限るべきである。
ただ、被告の特定の問題は形式論の話であるし、振り込め詐欺については実質論の話である。
十分に個人情報に配慮した訴訟指揮が必要になるように思われる。


そこまでしないと誰だか分からないような人に振り込むという被害者の帰責性と、
応訴させられる者との利益の調和は「振り込め詐欺」との予断を排して判断するのは難しい。
裁判所は、このような訴訟指揮が結果として悪用されることのないように十分注意するべきであろう。


そして、市民にとって大事なことは、
裁判おこすにも誰だか分からないような人にお金を振込まないということである。