日本放送協会経営委員会

日本放送協会第986回経営委員会議事録(平成17年1月11・12日開催分)が公開された。
詳細は→http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/giji/index.html
前回分以前は、
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050114#p2
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20041222#p1参照。
今回の更新により
日本放送協会第985回経営委員会議事録(平成16年12月21日開催分)
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/giji/g985.html

付議事項
1 会長報告
 年頭にあたって、年末年始の状況
2 審議事項
 NHK改革と予算編成(概要)について
 ・ 「受信料支払拒否・保留と対応状況」
 ・ 「平成17年度予算案」
 ・ 「NHK再生・改革に向けた取り組み」
3 議決事項
 (1) 役員交際費の限度額について
 (2)〜(4)
4 報告事項
 (1) 〜(6)
5 経営委員打ち合わせ

流れが早すぎてすっかり過去のものの経営委員会議事録。
委員会自体が不定期とはいえ、やっぱりもっと迅速になららないものかと…。
ということで、海老沢前会長が辞任し、橋本傀儡政権が発足した今ではあるが、
議事録にツッコミをいれておこう。
なお、部分引用なので、前後関係等はNHKサイトで御確認ください。

議事経過
1月11日(火)
1 会長報告
 年頭にあたって、年末年始の状況
 (海老沢会長
 1月4日、私から職員に向けて、年頭にあたっての挨拶をしました。NHKは、昨年、一連の不祥事によって、視聴者の信頼を損ねました。今年は、この信頼回復のため心機一転、再生と飛躍の年にしようと呼びかけました。再発防止に向けて、全職員が法令を守り、高い倫理観と志、そして意欲をもって、視聴者に奉仕するということを1人1人が自覚するよう奮起を促すと同時に、一丸となって改革を進めることを誓い合いました。私自身の身の処し方につきましては、12月19日の番組以降、記者会見等で終始同じことを述べております。今、私がなすべきことは、業務改革の先頭に立って、平成17年度予算、事業計画をまとめ、改革を軌道に乗せることであり、進退については、その責任を果たして、私自身で判断したいということです。

海老沢よ。あなたは責任を果たして、あなた自身で判断して、辞任したのではないのか?
だとすれば、なぜ顧問を引き受けた。責任を果たした以上もはやすることはないのではないか?
あなたが、「今年は、この信頼回復のため心機一転、再生と飛躍の年にしよう」と思っておられるのならば、
顧問を要請した新人会長に対しては「信頼回復のためのためには、私を顧問にしてはならぬ。」とは
言えなかったのか?
齢70の坊主頭の中身は本当に腐りきってきるようですね。

(委員長) ただ今の会長報告で、会長ご自身の進退の話がありました。新聞報道等では「辞任を示唆」ということも出ていますが、経営委員の皆さんのご意見はいかがでしょうか。
(委 員) 会長は、前回の経営委員会でも、若干それに類したことを述べられていますが、先ほどの発言は経営委員会において正式に意思表示をされたと受け取ってよろしいのでしょうか。
(会 長) 私はこれまで、記者会見でも、職員の前でも同じことを言ってきました。ただ辞めれば責任を果たせるわけではなく、タイミングというものがあります。この職に恋々としているわけではありません。

会長職に恋々とし、NHKにも恋々とされているようです。
「ただ辞めれば責任を果たせるわけではな」いのです。完全に、NHKから消えなければならないのです。

2 審議事項
(石原委員長)
 さて、私ども経営委員会として今いちばん関心が高いことは、受信料がどういう状況になっているかということです。11月末で11万3千件という支払拒否・保留があると伺っており、12月以降もさらに厳しい状況であると伺っていますが、それを含めて、まず中山理事からご報告をお願いします。
NHK改革と予算編成(概要)について
・「受信料支払拒否・保留と対応状況」
(中山理事)
 一連の不祥事を理由とする受信料の支払拒否・保留については、すでに11月末時点で11万3千件ということをご報告しております。これまで、営業職員・地域スタッフによる特別対応のほか、営業部門以外の職員の応援を得て、全管理職による“信頼回復”に向けた活動を行ってきました。12月、1月の第5期の結果はまだ出ておりませんが、かなり厳しい状況が続いています。今後の活動強化としては、営業職員・地域スタッフによる継続訪問、全職員による“信頼回復”活動のほか、再生・改革の取り組みへの理解を深める活動、女性地域スタッフの活用拡大(大都市圏中心)などを行っていく考えです。
〜略〜
(委 員) 私が心配しているのは、一般の職員の方々が営業現場と一体となって、この危機に立ち向かっていくという気運があるのかどうかということです。
また、経営幹部と現場の人たちとの気持ちが通い合うことも非常に大切だと思います。
(役 員) 今後、一般職を含めた全職員が信頼回復活動に参加していきます。今の危機感、緊張感を共有していくことと同時に、公共放送で働く者としての責任感の確立によりいっそう努めます。

「全管理職による“信頼回復”に向けた活動を行ってき」た結果がこれでは目もあてられません。
委員のみなさん。そろそろ、猶予の答えはでたのではないでしょうか?
某役員いわく「一般職を含めた全職員が信頼回復活動に参加していきます。」
おそらく「一般職」の人間のほうが信頼回復活動に努めているのではないでしょうか?
むしろ「信頼回復活動」をするのは、執行部に方なのです。
にもかかわらず、いかにも「執行部」側だけでなく「一般職」もという表現であることからも、
執行部の「信頼回復活動」への意識は低いものと思われるのです。

・「平成17年度予算案」
〜略〜
・「NHK再生・改革に向けた取り組み」
(野島理事)
 昨夏からの一連の不祥事およびその後の対応に対する視聴者の皆さまからの厳しいご批判・ご意見を深く受け止め、平成17年度予算編成にあたり、具体的な改革施策を事業計画に反映させ、改革を速やかに実行し、一日も早いNHKの再生を図っていく決意です。これまでコンプライアンス法令遵守)活動の推進、経理の適正化の徹底、事業運営の透明性の確保、番組制作をはじめとした大幅な見直し等を柱として、諸施策を実施しています。
 平成17年度においては、次の4本の柱立てに沿った新たな取り組みを実施していきたいと考えています。まず1番目は、「視聴者とともに歩む公共放送サービスの充実」で、平成17年度国内放送番組編集の基本計画に盛り込んだ放送サービスの充実を通して、今一度視聴者本位の姿勢を確立して番組内容の充実を図っていきます。2番目は、「視聴者との結びつきの強化」で、視聴者業務を行う体制を新たに整備し、全国の放送局で年1,000回以上「NHKふれあいミーティング」を実施するなど、視聴者の皆さまとの対話を増やしていきます。3番目は、「再生に向けた体制・組織の改革」で、番組予算、役職員の処遇、懲戒処分などにおいて、情報公開をより積極的に実施するとともに、事業運営について“約束”を公表し、その達成状況を外部の視点で評価していただく業務評価委員会のようなシステムを導入したいと考えています。また、外部の視点で受信料制度等のあり方を考える有識者懇談会を設置することも考えています。4番目は、「受信契約と受信料収納の確保」で、受信料の支払拒否・保留に対する説明、訪問活動を継続して行っていきます。また契約増加、口座振替の推進へ向けた新たな強化策を実施していきます。
 これら再生・改革の取り組みにかかる経費は、役員報酬、職員給与の削減、効率的な番組制作による経費削減、業務・要員体制効率化の推進によって生み出す考えです。

さて、3番目に「再生に向けた体制・組織の改革」で、番組予算、役職員の処遇、懲戒処分などにおいて、
情報公開をより積極的に実施するとともに、事業運営について“約束”を公表し、
その達成状況を外部の視点で評価していただく業務評価委員会のようなシステムを
導入したいと考えています。」との野島理事の発言がある。
野島理事は現在も理事であるが、ではなぜ辞任した3人の理事が顧問に就任したこと、
彼らの業務内容、報酬額、退職金額を公表しないのか。
顧問就任が必要と考えること自体問題だが、これを留保するにしても、
これらが再生にとって必要なこととは思わないのか。
思わなかったのであればそれはそれで理事としての資質を欠くというべきだし、
思ってしないのはさらに問題である。彼に資質はないのである。

(委 員) 職員の給与削減ということが出ていますが、これはどのようなイメージでしょうか。
(会 長) 役員報酬と合わせて職員給与を削減することを考えておりますが、具体的なやり方はこれから検討していきます。
(委員長) 私は、このような厳しい状況の中、経営委員会の報酬のあり方についても考えたいと思っています。経営委員会事務局の設置による経費増への対応を含めて明日早速議論したいと思います。

一般職員の給与削減が一番最後にあるべきと考えている。(職員ではないですよ。私は。)
この一連の不信をまねいたのは執行部や経営委員会の責任である。
もっとも、A級戦犯とでもいうべき3人が辞任している。
まずは、彼らの退職金辞退からであろう。
彼らが退職金を満額受け取って、その他の報酬給与カットでは示しがつかないのである。
もちろん、会長委嘱の顧問料は無償であると私は信じている。

3 議決事項
(1) 役員交際費の限度額について
(笠井副会長)
 役員交際費の支出限度額については、役員総体で現行5,500万円を、平成17年度4,000万円に引き下げることとしたいので、審議・採決をお願いします。なお、来年度以降は、支出限度額に変更がない場合でも経営委員会でご審議いただくこととします。また、各年度の決算書には当該年度の実績総額を記載することとします。
(委 員) NHKが厳しい状況に置かれている時期であり、この際思い切ってもっと下げるべきではないでしょうか。
(役 員) 支出限度額は、ここまで使うという意味のものではありません。従来から、交際費の使用にあたっては、その使途等を厳正に審査し、管理しております。
(委 員) 情報公開の観点からは、NHKは政府機関や地方自治体と違って、民間企業と競争関係にある特殊法人ですから、交際費の実績総額を決算書に記載することで、その要請にこたえることができると考えます。

何をもって「民間企業と競争関係にある」というのにもよろうが、
収入面での競争原理はないのですよ。
番組視聴率競争と一緒にしてはいけません。
競争関係にある視聴率が下がっても受信料が減るわけではありません。
某委員かはこの点を勘違いされておられる。そこは明確に区別するべきところですよ。

1月12日(水)
5 経営委員打ち合わせ
 経営委員および成田監事、池田監事が参加し、次の項目について意見交換を実施。
 1.経営委員会運営の3本柱について
  (1) 業務改革に向けたガバナンスの強化
  (2) コンプライアンスの徹底
  (3) 公開性・透明性の確保 2.今後の論点
  (1) 経営委員会の役割の整理
  (2) 経営委員会のあり方(組織、運営、報酬)
  (3) 経営責任について
  (4) 平成17年度予算および「NHKの再生・改革に向けた取り組み」について

残念ながら、内容はわかりません。
意思形成過程はともかく、一定の結論は示しませんか?
どうせ公表は次回会議後なんですし。


とおおまかに経営委員会議事録をみてきた。
執行部は口では大きなことをいいながら、何もできていないのである。
経営委員会が見守るという時期もうすでにはすぎた。
そして、ここ数日をみていて新会長のもとでもそれは期待できない。
橋本会長が辞任した3人を理事にしたことをもって解任し、
新たに外部の人間を会長に招聘し、執行部を作り直すべきではないだろうか?
現在の執行部では国民の信頼回復が不可能であることは明白である。