時事通信社は女性専用車両導入ありき。

目次
女性専用車両終日導入
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20040906#p1
東京でも導入。
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050328#1111935912
参考記事
IC定期券の今後?
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050204#1107496367

一昨日に少し書いたが、昨日Yahoo!のトップにきたようなので、改めて。

女性専用車両一斉導入へ=都営地下鉄など9事業者
 首都圏の電鉄11社を集め、女性専用車両導入を話し合う協議会の第2回会合が28日、国土交通省で開かれ、これまで女性専用車両がなかった東京都交通局と私鉄8社が、5月9日から一斉に導入することが報告された。
 首都圏で女性車両を導入しているのはこれまで、JR東日本京王電鉄横浜市営地下鉄だけ。関西圏に比べ遅れていた導入が一気に進むことになる。
 国交省によると、導入を決めたのは都営地下鉄東京メトロ東武鉄道西武鉄道京成電鉄小田急電鉄東京急行電鉄京浜急行電鉄相模鉄道。毎朝のラッシュ時などに実施される。深夜時間帯で既に導入済みのJR東、京王も実施時間帯を増やす見通し。 
時事通信) - 3月28日21時1分更新

時事通信社の記事を読むと、「女性専用車両」=善という前提のようです。
「関西圏に比べ遅れていた導入が一気に進むことになる。」という表現はまさにそれではないでしょうか。
痴漢防止=「女性専用車両」となっているようで、このような考え方が本当にいいのか、甚だ疑問。
改めて書きます。
車内混雑→痴漢発生→混雑時の女性専用車両、というながれのはずです。
とすれば、女性専用車両の導入は混雑時に限られますし、鉄道会社はそもそも車内混雑を解消する責務があります。
これは痴漢云々関係なく、快適な乗車環境のために一般的に求められているといっていいものです。
本来は車内混雑を解消するべく、あらゆる手段を採るべきであり、
また、痴漢という犯罪行為を根絶するべきですが、それでも已むを得ない場合の「女性専用車両」のハズです。
本来こんなものがない方がいいのです。
では、次の記事をみてみましょう。

女性車両、首都圏で一斉導入 GW明け、通勤時 JR東日本9私鉄など
 首都圏のJR東日本と九私鉄、東京都交通局は二十八日、電車内の痴漢対策としてゴールデンウイーク明けから一斉に、朝の通勤ラッシュ時の上り電車を中心に女性専用車両を設けることを決めた。
 導入する私鉄は東武、西武、京成、京王、小田急、東急、京急東京メトロ、相鉄の各社。
 既に深夜帯の埼京線で実施しているJRは、引き続き同線とりんかい線を対象に、朝のラッシュ時間帯の上り全電車で四月四日から実施する。
 ほかの各社はいずれも五月九日から実施。東武伊勢崎線の準急、小田急の急行、京急快特など、混雑が激しく停車駅間が長い朝の都心に向かう列車が中心だが、東京メトロ半蔵門線の全列車、相鉄も全列車が対象となる。深夜帯ですでに実施している京王は朝に加え、夕方ラッシュ時にも拡大する。
 各社の女性専用車両は、女性だけでなく小学生以下の子供や男性でも身体障害者や介助者の同乗を認めている。
 首都圏の各社は、国土交通省が今月設置した協議会に参加して検討、痴漢が多い朝のラッシュ時に一斉に実施することを決めた。今後混雑時のホームの人の流れなどを調べ、問題がなければ各社の判断で恒久化する。
産経新聞) - 3月29日2時48分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050329-00000014-san-bus_all

これは産経新聞の見解ではないですが、重要の一文を報道してくださってます。
「問題がなければ各社の判断で恒久化する。」そう、「恒久化する」そうです。
おいおい、あくまで暫定的措置ではないですか?
というより、あなた方はこれからずっと痴漢がいなくならないと思っているのですか?
おそろしい考え方です。
以前在阪の某私鉄に問い合わせたときも廃止を前提にしているものではないと言ってました。
これら鉄道企業の考え方は間違っています。
そもそも混雑だという認識があるのであれば、混雑解消に向けての努力をするべきです。
最近、鉄道会社は周辺業務(グッズ販売など)にも力をいれていますが、
本来の業務は安全に、快適に、お客様を運送することではないですか?
痴漢を防止することは重要かもしれませんが、
それ以上に痴漢が起こりうる混雑の解消するべき責務を負っているのではないでしょうか?
国土交通省国土交通省で、暫定的措置として導入させ、恒久的解決を求めるならともかく、
女性専用車両導入を究極目的に導入するのは間違いです。
むしろ、その指針を定めるべきではないでしょうか?
筆者としては女性専用車両には反対ですが、女性専用車両を導入することは前提に、
一部昨日の記述と重複しますが、その導入指針例を提示してみたいと思います。
具体的数字がどれくらいが妥当かはくわしくないので、あるべき数字からは離れているかもしれません。
一応このへんを参考にしました。
http://www.ijh.shibaura-it.ac.jp/stc/chousa/t00000000.html

     「女性専用車両」導入実施指針


実施時間:乗車率が160%以上かつ車両稼働率90%以上であること
     (実際上、土日休日やいわゆるラッシュ時以外が導入できないと思います。)
     但し、運営上の理由に寄り条件達成時間前から導入してもよいが、最低限度にとどめること。
実施区間:乗車率が160%となる区間
     但し、運営上の理由に寄り条件達成区間前から導入してもよいが、最低限度にとどめること。
実施車両:1編成5両以下は導入不可。
     (ただし、5分以内に同一条件の運転がある場合は、2本に1本、1両のみ可。)
     1編成6両以上、10両以下は1両まで
     1編成11両以上、2両まで。
導入条件:○導入に際しては第三者機関に乗車率の測定を依頼すること。
      乗車率の測定は、…<測定の決まり>
      乗車率の測定は1年に1度実施すること。
      乗車率及び車両稼働率を各駅に常置し、要求あれば閲覧させ及び複製物を頒布すること。
     ○女性専用車両実施要項については、わかりやすく掲出すること。
      実施時間帯以外に、実施時間帯であるかのような誤解を生じさせないようにすること。
     ○上記2点は、ホームページがある場合にはこれに掲載し、かならずトップページからリンクすること。
     ○女性専用車両導入に際して、安全には注意を払い、鉄道会社が責任を負うこと。
     ○「女性専用車両」導入後は、解消にむけて駅改造の改造やダイヤの改正、その他の措置を講じること。
      毎年、実施済みの具体的措置を公表すること。
     ○「女性専用車両」は、導入後10年をめどに廃止すること。

とりあえず、これが必ずしもいいとは思わないけど、最低限の指針でもつくるべきでは?
協議会が主導したのなら…。
繰り返しになりますが、
国土交通省及び鉄道事業者は「女性専用車両」の導入があくまで暫定的なものであることを認識し、
本当に快適な車内環境を実現するような方策を検討し、実現していくことが重要ではないですか?