憲法改正を考える(その7)〜民主党小委員会中間報告(1)+民主党批判〜

憲法改正を考える(その1)〜国民投票法(1)〜
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050314#1110803315
憲法改正を考える(その2)〜自民論点整理(1)〜+自民党ホームページについて
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050314#1110805753
憲法改正を考える(その3)〜自民論点整理(2)〜
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050315#1110816281
憲法改正を考える(その4)〜自民論点整理(3)〜
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050315#1110821749
憲法改正を考える(その5)〜国民の権利と義務に関する小委員会(1)+綿貫氏の発言について〜
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050326#1111775076
憲法改正を考える(その6)〜小委員会要綱案(1)といっても自民党批判〜
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050406#1112776329

前回自民党をヘタレといったが、今度は民主党にも同じ言葉を送ろう。
民主党の閉鎖的政治はなんとかならんもんかね。
報道によれば、民主党憲法調査会各小委員会の中間報告が、3月31日にだされたらしいが、
民主党のサイトにはそれらしくことは何も書いていない。何のためのホームページだ。
政党助成金という名の税金もらって党運営しているんだったら、きちんと更新しろよ、と思うわけです。
これだけのネット社会で、あれだけ議員さんがいるのに、そういうところには頭がまわらないようでは、
本当にこいつらに日本の政治をまかせていていいのかね?と思ったりしてしまいます、
で、その頭の悪い国会議員どもが、よってたかって考えた要綱案の内容についてなんですが、
要旨を掲載しているのがあったので、これからみてみたい。

03月31日 21時19分
民主憲法中間報告の要旨 
 民主党憲法調査会各小委員会の中間報告要旨は次の通り。
 【総論】(口頭報告)各小委の結論を待って議論を深める。
 【統治機構】(方向性が明らかな事項)憲法65条の主体を「首相」とし、「行政権」を「執政権」に切り替える▽議会オンブズマンか行政監視院を設置▽二院制を維持しつつ、役割を明確にし議会を活性化。
 (引き続き検討)憲法裁判所の設置▽行政訴訟法制の見直し。
 【人権保障】犯罪被害者、子どもの権利などを明記▽信教の自由を「人間の尊厳」の保障と位置付け、政教分離を厳格に規定▽環境の維持・改善に関する国・企業や国民の責務を明記▽知る権利を憲法上の権利とし、情報アクセス権を確立▽プライバシー権を個人情報保護の観点から再整理し、権利性を明確化▽マスコミ規制は慎重でなければならず、第三者機関による事前規制は避けることが必要。
 【地方分権】地域でできないことを基礎自治体で、基礎自治体でできないことを広域自治体で、広域自治体でできないことを国で、という「補完性の原理」を憲法原則として採用。同原理に基づいた「基礎的地方自治体」と「広域的地方自治体」を憲法上明記。
 【安全保障】(口頭報告)自衛権と集団安全保障を区別し議論する。自衛権国連憲章上の「制約された自衛権」とし、国連の集団安全保障活動には積極的に参加するということでほぼ一致している。
http://www.topics.or.jp/Gnews/news.php?id=CN2005033101003692&gid=G15徳島新聞

まずは、統治機構
憲法65条は執行権の主体を内閣から首相する、ということで、首相の権限強化ということだろう。
首相の権限強化には、今まで一応の内閣という歯止めがあったのがなくなるから、
それに見合う首相コントロールができれば別に良いと思うが…。
二院制の維持に際して、役割分担の明確化もいいだろう。維持するという方向であれば、望ましい。
憲法裁判所については、憲法で考えるのが妥当なので、検討するべきであろう。
行政訴訟法制の見直しについては、どういうことか?
裁判を受ける権利を、刑事事件のように明確化するということだろうか?だとすれば、良い試みである。


人権保障についても、犯罪被害者、子どもの権利などを明記、と権利の明文化、
特に現在まだ、十分とはいえないものについて明文化する点で注目に値する。
また、信教の自由を「人間の尊厳」の保障と位置付け、政教分離を厳格に規定とする点に付き、
とくに後者については、緩和を主張する自民のものと対立する。
やはり、緩和、厳格化、反対(現状)維持の形で投票できるといいかなぁ、と思うところである。
環境の維持・改善に関する国・企業や国民の責務を明記については、国民の責務という義務が伴うが、ある意味内在的である。
明文化の際に注目したいが、あまり国民の責務が強調されるべきではない。
(どうでもいいということではなく、憲法があえて規定するべきどうかという問題。)
知る権利を憲法上の権利とし、情報アクセス権を確立するというのは情報公開ということか。憲法上明確にするのは望ましい。
プライバシー権を個人情報保護の観点から再整理し、権利性を明確化するのは、
対私人との関係ではなお、注意するべき点が多い。
マスコミ規制は慎重でなければならず、第三者機関による事前規制は避けることが必要。
マスコミに特段の保護を与えるという趣旨かどうかは明確にするべきであろう。
(知る権利という点から特段に保護するのであろうか?)
三者機関が何をいうのかわからないが、事前抑制は原則許されない。


地方分権
知事会も興味をもっているらしいが、「地方自治」ではなく「地方分権」としたことがまずポイントか。
できるだけ身近なところで、ということらしい。
二段階的地方自治を明文化。


安全保障
まぁ、できるだけ明確化して示してもらえればいいです。


かなり大雑把になってしまいましたが、自民党よりはよく考えていると思います。
賛成反対ということではなく、憲法が何かということをよくわかって議論されているかと。
さすが、野党。


憲法改正は、国民が直接その賛否に票を投じれるところであり、
選挙とちがい、個別の論点ごとに投票できる(はずの)制度です。
そして、憲法改正は、いくら国会議員が全員賛成しても直接投票で過半数なければ改正できない制度。
国民ひとりひとりが憲法とは何かをちょっとはわかった上で考えるといいんですけど、
他の項目に比べて検索が少ないです。まだやっぱり実感ないのかな。