国立国会図書館法の一部を改正する法律成立・公布
最後の聖域?国立国会図書館。公務員の給料って?
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050207#1107755244
またまた立法府の財政問題。
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050210#1107973588
またまた産経新聞から国会職員給料問題
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050216#1108493617
国会職員の給料問題のその後
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050324#1111596885
【資料】国会職員の給与等に関する規程(抄)(改正前のもの)
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050218#1108656780
一連の産経記事より。
改正国会図書館法きょう成立 館長給与を減額…法制局長並みに
国立国会図書館長の高給を是正する国立国会図書館法改正案が六日、参院本会議で一部修正のうえ与党と民主党などの賛成多数で可決、七日の衆院本会議で成立する。館長の給与は閣僚並み(年収三千四十一万円)から衆参両院の法制局長並み(同二千九百十二万円)に減額した。国会職員の懲戒処分に「停職」を加える改正国会職員法は六日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。聖域化していた国会改革の一歩がようやく踏み出された形だが、抜本改革にはほど遠い内容だ。
改正図書館法は図書館長、副館長、専門調査員の待遇基準をそれぞれ「国務大臣」「各省次官」「行政および司法の各部門の一級官吏」と同等とした従来法の規定をすべて削除する内容。
具体的な給与額は衆参両院の議院運営委員会で協議され、館長の年収は約百三十万円減額された。しかし、副館長、専門調査員の年収は据え置かれたまま。図書館長職は長年、衆参両院の事務総長の「天下りポスト」になっているが、改善策は打ち出されていない。
図書館法改正案の採決では衆院に続いて、共産、社民が反対票を投じた。「十分な議論もなしに、館長の待遇規定をいじり、館長の格付けを下げるやり方は、あまりに早計だ」(穀田恵二・共産党国対委員長)との理由だ。
だが、図書館長を含めた国会職員の厚遇を長年放置してきた責任は国会議員にもある。中央省庁の職員待遇には人事院などによるチェック体制があるが、国会職員を公正な立場でチェックする機関はなく、国会の自浄能力が厳しく問われる。
(産経新聞) - 4月7日3時13分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050407-00000001-san-pol
すでに改正されてしまったが、反対論としてきくのが、館長の「格下げ」になるから反対という理論。
http://www.kokuta-keiji.jp/column/nisshi/1111574962.html
確かに、国会図書館の建て前上の重要性も認めるだけど、いかんせん他との均衡が悪い。
この点についてはすでに書いてきたこととも重複するが、
ではなぜ、そのポストが衆参両院の事務総長の「天下りポスト」なのか?
共産党からすれば、賛成した覚えはないのかもしれないが(そこまで調べられていません。)、
筆者としては、本当にそれだけの格に位置付けるのであれば、
それに見合った仕事は当然のこと、大臣との均衡と言う意味であれば、国会議員から選ぶ制度にするとか、
館長の選任権者を「両議院の議長が、両議院の議院運営委員会と協議の後、国会の承認を得て、これを任命する。」
というのを「国会が指名する」とか、そういう制度であるべきで、
単に給料という「形式」で格付けするという思考経路の方が問題だと思うのです。
そうはいっても、議論の余地としては選任方法をかえるということも考えられるので、
その意味では「あまりに早計」なのでしょうが、給料規定が他の実体規定に伴っていないこと、
今の財政状況を考えると、とりあえずこういう改正で対処した上で、あらためて検討するべきだと思うのです。
それは、当初の規定における実質上の格付けが、「大臣と同等」になっていない以上やむをえないと思うのです。
つまり、法の実質的矛盾を是正したということ。
逆もまた真であろうが、実際の運用を考えると、このような方向で議論することはやむを得ないと思うのです。
また、実際上国立国会図書館の仕事ぶりは興味をもっている筆者にもみえてきません。
また、こういう指摘もあります。
何をやっているのか知りませんが、年収約3000万円ももらっている図書館長は、当然、3000万円に見合った仕事をしているはずですから、そういう人がいながら、年収約2400万円ももらっている「副」館長が必要というのであれば、その根拠をきちんと具体的に示すべきでしょう。
図書館長も、その職務内容を国民に説明すべきです。
年収約2400万円近くもらっている「専門」調査員なる人が、どんな専門調査をやっているのか知りませんが、当然、非常に高度の専門性を駆使した、目を見張るような調査をやっているはずですから、その成果を、インターネットで公開してはどうでしょうか。国会図書館の中だけで死蔵してはもったいないでしょう。館長も副館長も、「私はこんなに働いて、もらっている給与に見合った成果を出しています」と、インターネットを活用して説明すべきです。
もし、こういったことができないなら、もっと給与を下げないと、到底、国民の納得は得られないと思います。
http://d.hatena.ne.jp/yjochi/20050407#1112882328
さらに、いくら重要と言っても、身近にいる多くの国会議員の賛同すら得られなかったのです。
この点については、政党助成金の少ない小政党ほど図書館にお世話になっていることのあらわれなのかもしれませんが、
“国会”図書館が国民に与える影響が見えにくいが問題ではないでしょうか?
ある政策を検討するのに、サイトをみれば、法案名とそれに対応した参考文献の一覧が無料でみられるとか、
図書館の専門員、調査員の作成した文書は著作権フリーで閲覧、利用できるとか、
さらに相当の対価で原出典も一括(選択式)して取り寄せれるとか、そういうサービスがあってしかるべきでは?と思います。
もっといえば、行政庁の文化庁ではなく、国会図書館が著作権法制にもっと積極的にかかわてもいいとさえ思うのです。
文化庁は著作権については登録とか、そういうことだけでよろしい。
国会図書館の理想は崇高ですが、それに合致した運用ができていないことは事実であり、
これは単に天下り事務総長が今まで高給だけとってろくな仕事をしてこなかったことのあらわれでしょうが、
そういうことになってしまっている以上、給料、いや格付け自体の減もやむを得ないのです。
ということで、本日改正法が公布されました。
官報目次
平成17年4月13日付(号外 第82号)
- -
〔法 律〕
○国立国会図書館法の一部を改正する法律(二七) ……… 3
○国会職員法の一部を改正する法律(二八) ……… 3
国立国会図書館法の一部を改正する法律をここに公布する。
御 名 御 璽
平成十七年四月十三日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第二十七号
国立国会図書館法の一部を改正する法律
国立国会図書館法(昭和二十三年法律第五号)の一部を次のように改正する。
第四条第二項第四段を削る。
第九条第五段を削る。
第十六条第二項後段を削る。
別表第一核燃料サイクル開発機構の項及び日本原子力研究所の項を削る。
附 則
この法律は、公布の日から施行する。ただし、別表第一の改正規定は、平成十七年十月一日から施行する。
総 務 大 臣 麻生太郎
内閣総理大臣 小泉純一郎
国会職員法の一部を改正する法律をここに公布する。
御 名 御 璽
平成十七年四月十三日
内閣総理大臣 小泉純一郎
法律第二十八号
国会職員法の一部を改正する法律
国会職員法(昭和二十二年法律第八十五号)の一部を次のように改正する。
第二十九条中第三号を第四号とし、第二号の次に次の一号を加える。
三 停職
第三十条の次に次の一条を加える。
第三十条の二 停職の期間は、一日以上一年以下とする。
停職者は、国会職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。停職者は、停職の期間中給与を受けることができない。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(国会職員の育児休業等に関する法律の一部改正)
2 国会職員の育児休業等に関する法律(平成三年法律第百八号)の一部を次のように改正する。
第六条第一項中「休職」の下に「若しくは停職」を加える。
総 務 大 臣 麻生太郎
内閣総理大臣 小泉純一郎
なお、「国会職員の給与等に関する規程」については、どうなっているのか確認できず。
また、成立過程については、
http://www.shugiin.go.jp/itdb_gian.nsf/html/gian/kaiji162.htmを参照。
ちなみに、今回改正のものは、衆法14、15です。別の改正案もあるので、御注意を。
追記:同日付の官報本紙の「国会事項」中に規程の一部を改正する規程がありました。
目次にはなかったので見落としていました。
以下に掲載します。(4/22)
官報目次
平成17年4月13日付(本紙 第4073号)
〔国会事項〕 ……… 7
国 会 事 項
国会職員の給与等に関する規程の一部を改正する
規程
国会職員の給与等に関する規程の一部を改正す
る規程は、四月七日両議院議長において、次のと
おり決定した。
国会職員の給与等に関する規程の一部を改
正する規程
国会職員の給与等に関する規程(昭和二十二年
十月十六日両院議長決定)の一部を次のように改
正する。
第三条に次の二項を加える。
給料は離職の場合は、その発令の当日までこ
れを計算する。
給料額は、給料を、月の初日から支給すると
き以外のとき、又は月の末日まで支給するとき
以外のときは、その月の現日数から勤務時間規
程第四条第一項、第五条及び第六条の規定に基
づく週休日の日数を差し引いた日数を基礎とし
て日割りによつて計算する。
第四条中「退職及び死亡の」を「国会職員が死
亡した」に改める。
第六条の二第三項ただし書を削る。
第十八条を次のように改める。
第十八条 削除
別表第一国立国会図書館の館長の項を削る。
別表第一職名の欄中「各議院法制局の法制局長」
を「各議院法制局の法制局長
国立国会図書館の館長 」に改める。
附 則
(施行期日)
1 この規程は、平成十七年四月八日から施行す
る。ただし、別表第一の改正規定及び附則第三
項の規定は、国立国会図書館法の一部を改正す
る法律(平成十七年法律第二十七号)の施行の
日から施行する。
(経過措置)
2 この規程の施行の日前に死亡した国会職員に
係る弔慰金の支給については、なお従前の例に
よる。
3 改正後の別表第一の規定による国立国会図書
館の館長の給料は、附則第一項ただし書に規定
する日から計算する。