ライブドアvsフジテレビ〜ニッポン放送をめぐる攻防〜その16

その1
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050212#1108151898
その2
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050223#1109154089
その3
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050224#1109193675
その4
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050225#1109271054
その5
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050226#1109352342
その6
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050227#1109440504
その7
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050304#1109872566
その8
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050310#1110393768
その9
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050311#1110537130
その10
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050313#1110652969
その11
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050317#1111000755
その12
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050322#1111506651
その13
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050324#1111599441
その14
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050325#1111691187
その15
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050328#1111935838
関連記事
 新株の有利発行
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050307#1110537130
○決定全文
 −東京地決平成17年3月11日(平成17年(ヨ)第20021号 新株予約権発行差止仮処分命令申立事件)
  http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b510052d736/39474d7be44d11cc49256fcf0028876a?OpenDocument
  http://page.freett.com/okeydokey/H170311livedoorvjolf.html
○決定全文
−東京地決平成17年3月16日(平成17年(モ)第3074号 保全異議申立事件)
  http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b510052d736/04b1ff5e09de046149256fcf00292d73?OpenDocument
○決定全文
 −東京高決平成17年3月24日(平成17年(ラ)第429号 新株予約権発行差止仮処分決定認可決定に対する保全抗告事件)
  http://courtdomino2.courts.go.jp/kshanrei.nsf/c1eea0afce437e4949256b510052d736/65ea450fa1e373c249256fcd002988c5?OpenDocument
  http://page.freett.com/okeydokey/H170323livedoorvjolf.html

完結編になるんでしょうか。なんとか和解したようです。
各社のリリースは以下からどうぞ。

ライブドア
http://finance.livedoor.com/ir/4753/ir-news.html
フジテレビ
http://www.fujitv.co.jp/fujitv/ir/pressmenu.html
ニッポン放送
http://www.jolf.co.jp/company/IR1242/new.html
関連ニュース
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2005_0228_01/headlines
http://it.nikkei.co.jp/it/newssp/fuji_vs_livedoor.cfm?ichiran=true


プレスリリースをざっと見ただけでは、よくわらんということで、
産経サイト掲載の共同通信社の記事。産経サイトは共同の記事が多いな。

フジとライブドアが和解 資本・業務提携を締結


 ニッポン放送の経営権をめぐり争奪戦を繰り広げてきたフジテレビジョンライブドアは18日、ライブドア保有するニッポン放送株をフジが全株取得し、ニッポン放送を子会社化することを柱とする資本・業務提携で基本合意、和解した。
 これにより、2月8日にライブドアニッポン放送株を大量に取得して以来続いた大規模な買収合戦は70日目に決着した。和解に伴い、フジ側がライブドアに支払う資金総額は1470億円程度に上る見通しだ。
 記者会見したライブドア堀江貴文社長は「手元の資金を別の企業の合併・買収(M&A)にも充当したい」と、本来の狙いのフジ買収は断念したものの、今後も活発なM&A戦略を展開する意向を示した。
 フジテレビの日枝久会長は会見で、ライブドアとの業務提携について「当社が主導的な立場で臨むことができることを確認した」と強調した。
 基本合意によると(1)フジテレビはニッポン放送株を保有するライブドア子会社「ライブドア・パートナーズ」を約670億円で買収(2)ライブ本体が保有するニッポン放送株を買い取る−などの手法を組み合わせ、同放送の完全子会社化を目指す。フジはニッポン放送株を実質的に取得する。
 フジは、ライブドアが実施する第三者割当増資に応じ、最終的にライブドア株式の12・75%を保有する大株主となる。
 放送と通信の融合を目指す業務提携では、業務提携推進委員会を設置し定期協議して詰める。
 フジはライブドア以外の株主からもニッポン放送株を買い集め、9月1日に100%子会社化を目指す。
 両社は、和解に向けて、3月中旬から担当役員が水面下で協議を続けてきた。一時は両社の意識の隔たりが大きく交渉は行き詰まったが、その後早期に和解することが得策と判断。4月上旬に入って両社が歩み寄り交渉が一気に進んだ。(共同)


 ■和解のポイント
 一、フジテレビはライブドア・パートナーズを、670億円で買収。
 一、フジテレビは、ライブドア本体が保有するニッポン放送株を買い取り、同放送を完全子会社化。
 一、和解に伴い、フジテレビ側が負担する資金総額は1470億円程度。
 一、フジテレビがライブドアの第三者割当増資に応じ、12・75%の株式を取得して資本参加。
 一、フジテレビ、ニッポン放送と、ライブドアが放送・通信融合について業務提携の協議開始。

(共同)


 日枝久フジテレビジョン会長と堀江貴文ライブドア社長、亀渕昭信ニッポン放送社長の記者会見の一問一答は次の通り。


 −提携合意の感想は。
 堀江 通信と放送の融合は10年前にインターネット事業を始めた時から目標にしてきたので、ワクワクしている。株主には心配をかけ、申し訳なく思っている。


 −業務提携を決めたポイントは。
 日枝 一つは、マスコミ事業の公共性と社会的使命を果たしていく上で障害にならないと判断したこと。もう一つは、当社が主導的立場で臨めることから決めた。


 −今回の結論は「想定の範囲内」か。
 堀江 想定の範囲内の良い方で収まり、うれしく思う。


 −TOBの買い付け価格より高値の買収だが、TOBに応じてくれた株主に説明がつくのか。
 日枝 内心じくじたる思いはあるが、当時とは状況が違う。前向きな解決のため、適正な範囲内で価格を決めた。第三者機関や弁護士からも、法的に問題はないという結論を得ている。


 −提携のメリットは。
 堀江 業務提携だけでは身が入らない。ライブドア企業価値が上がらないとフジテレビは損をしてしまうから、相当努力してくれると思う。がっちり組める。


 −第三者割当増資で得る資金の使途は。
 堀江 ポータルサイト事業の投資に充てたい。また、今回の増資とは別に、当社の資金を別のM&Aに充てていきたい。今回いろいろやって得たノウハウは、次のM&Aにも役立つ。


 −日本の経済社会の現状をどう評価するか。
 堀江 先進国は保護政策をやめ、ガチンコで世界と勝負しなければならない。日本の商法や証券取引法などは、諸外国に比べまだまだ不備だ。
 亀渕 よく話し合ってくれて合意に達した。フジサンケイグループの一員として企業価値を高めることにまい進できる。(共同)
(04/18 20:35)

http://www.sankei.co.jp/news/050418/kei068.htm

ニッポン放送としては元サヤなので、
フジテレビとライブドアがこの和解をどうとらえるかということ。
和解=互譲なので、どっちも損していることになるのだが、
フジからしてみれば、当初の予定からすればかなり高くついたものの、
攻撃からニッポン放送そして、フジ本丸を守りきったという意味では勝ちといってもいい。
一方で、攻撃をしかけたライブドアからすれば、どうだったのだろう?
一応業務提携、人質としての資本提携、そして、
保険としての株(ライブドアパートナーズ含む)を利益がでる形で買い戻させたという意味で
敗北では無いが、その後の展開次第であろう。
これでうまくいったら(株価があがれば)、ライブドアはもちろん、フジもラッキーだし、
うまくいかなくても、ライブドアがこけずに、無同意売却禁止機関を経過すれば、少しはもうけれるし、こけたら、こけたとき。


とりあえずの短期的なお金という観点からみれば、ライブドアの勝ちだが、
長期的な経営という意味では、フジテレビは負けなし、ライブドアは今後次第ということだろう。
(正直なところ、ライブドアへの投資が最悪損しても、守ったんだからいいや、と思っていても不思議ではない。)
誰が一番得をしたかというと、それはきっと一般国民であり、一般企業経営者。
ホリえもんは買収劇という劇を演じただけなのでした。ちゃんちゃん。


このblog的に気になる今後としては、著作権を含む権利処理の課題。
まぁ、既存コンテンツに関してはいろいろ面倒でしょうが、
今後のコンテンツに関しては、あらかじめ契約しておけばいいでしょう。
それにかかる負担はライブドア持ちでいいんでしょうし…。
問題はテレビでもネットでも、というときにスポンサーはどうするか?
などと、権利そのもの以外の問題もあるんでしょうが…。
最初は再度ストーリーとかも使って実験的にいろいろやればいいと思いますけどね。
ただ、地上派デジタルに移行するなかで、どれだけネットと融合する必要があるのか、
というのはよくわかりません。
そのへんのホリえもんの頭の中がのぞけるといいんですけどね。