内閣総理大臣靖国参拝訴訟(2)

靖国参拝違憲」確定へ 「強い警告」と上告せず
 小泉純一郎首相の靖国神社参拝は憲法違反だとして、台湾先住民らが国などに損害賠償を求めた訴訟で、原告側は11日、賠償請求を退けたものの参拝を「違憲」とした9月30日の大阪高裁判決について上告しない方針を決めた。弁護団が明らかにした。
 訴訟に勝った国側は事実上、上告できず、小泉首相靖国参拝を高裁段階で初めて違憲とした判決が確定する見通し。
 弁護団は「高裁レベルで明確に違憲とした判決は極めて重い。この判断が残ることで、小泉首相への強い警告となる」と、上告を見送った理由を説明している。
 小泉首相の参拝を違憲とする判決が確定するのは昨年4月の福岡地裁に続き2例目。一方、別の原告が提起した訴訟の大阪、東京、高松の各高裁は、憲法判断に踏み込まず原告の控訴を棄却する判決を言い渡した。
共同通信) - 10月11日20時10分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051011-00000230-kyodo-soci

判決は確定しますけど、既判力の及ぶ判決主文ではないですし、
違憲というのは、そもそも理由中の判断ですらなく、傍論なので、“靖国参拝違憲」確定へ”は正しくないのでは?
「明確に違憲とした判決」というのもあくまで原告側、原告弁護人側の解釈であって、傍論判断が「明確」かというと疑問です。
もちろん、事実上裁判所が違憲といい、それが事実上どう影響するか、それをどう理解するか、という問題はありますが、
裁判所が裁判という機会に述べた一見解の域をでないように思います。
法的に判断をどう理解するかは別として、あくまで高裁段階で初めて違憲とした「判決が確定する」見通し、というだけでしょう。
靖国参拝が、内閣総理大臣の職務行為かどうかということにはこだわる原告団なのに、
本判決で違憲ということが裁判所の権限の範囲内かどうかということには、こだわらないのか?と思ってしまいます。
こういう裁判行為を憲法上どう評価するかというのは難しいところですが、こういう中途半端をさけるのであれば、
(それはそれで議論がないわけではないが)客観訴訟を法定するというのも一案でないかと思います。

内閣総理大臣靖国参拝訴訟
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050930/1128089660