ライブドアの矛盾

ライブドア 社長月収1000万円も、株主へ無配当継続
 ライブドアは25日、東京都内で株主総会を開き、同社として初の配当を実施するという株主提案を否決し、00年4月の上場以来続いている無配が継続されることになった。ただ、同社の堀江貴文社長は今春のニッポン放送争奪戦で「株主利益の尊重」を強く主張した経緯があり、高収益下の無配継続に憤った株主が堀江社長に退任を迫る場面もあった。
 企業が株主に対して行う配当では、成長途上にあり赤字続きの企業が無配とすることが多いが、ライブドアは05年9月期連結決算で154億円の最終黒字になっている。このため、株主総会では個人株主から「1株当たり2円の配当(総額約21億円)を行う」との配当提案が出された。
 これに対し、堀江社長は「高成長を維持するには、企業の合併・買収(M&A)を実行するための内部留保を積み増す必要がある」と述べ、配当は行わないとする会社側の提案を示した。
 配当か、無配継続かは2時間以上にわたって議論され、個人株主の一人が「一般株主の犠牲のうえに会社が成り立っている」と指摘。堀江社長に退任を迫ったのに対し、堀江社長は「10年間株主のことを考えてやってきた」と涙ながらに訴える一幕もあった。
 最終的に会社提案の無配が了承されたが、「会社は株主のもの」との論理でニッポン放送株の取得を進めた堀江社長が自社株主に突き上げられる皮肉な総会となった。
 総会には、昨年の2倍を超える約5000人が出席。堀江社長は「1カ月1000万円の報酬をもらっている」と自身の収入を公表するとともに、今後の政界進出については「あえて私が出て行く必要は今のところない」と否定的な考えを示した。【岩崎誠】
毎日新聞) - 12月26日10時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051226-00000010-maip-bus_all

記事によればライブドアは、
「高成長を維持するには、企業の合併・買収(M&A)を実行するための内部留保を積み増す必要がある」というが、
成長したって利益配当が株主に還元されないのでは、結局自らの報酬という名の利益拡大でしかないのではないか?
月1000万円の報酬それ自体は正当だとしても、これでは株主を犠牲にした会社というより堀江氏自身の利益ともいえる。
本当に「10年間株主のことを考えてやってきた」といえるのか?ちょっと自己矛盾の行動に思えてならない。
株主による配当要求は、岩崎記者がいうようにまさに「皮肉な総会」であって、
ニッポン放送株取得時の言動はなんだったのか?とさえ思えてくる。
そもそも、なんとための「高成長を維持」であり、なんのための「企業の合併・買収(M&A)」だろうか?
まさに株主のためであり、株主に利益配当するためのものではないだろうか?
まるで著作権法の文化の発展という目的と権利保護という手段のようである。
何のための手段かということを考えるべきであろう。
株主が投下した資本で利益を生み、その利益を株主に還元することが必要なのである。
内部留保の名のもとに、株主はどの程度待てばいいのだろうか?どれだけ成長すれば配当がなされるのだろうか?
もし合併・買収(M&A)に失敗して株式価値がなくなれば、取締役報酬だけ確保して結局のところただの紙切れとなる。
株主のことを考えるのであれば、そのときどきに株主に利益を還元するべきではないだろうか?
154億円の黒字のうち、わずか総額約21億円を配当を留保してまで、内部留保を積み増す必要があるのかというと疑問である。
最終的には株主総会で了承されたそうだが、株主総会で了承された以上、株主の利益に適っているということなのだろうか?
ライブドアの株主には、ライブドアの株主自身が本当にそれでいいのか是非とも考えてほしいと思う。