「知財高裁とはどんなところなの?」(MacPeople2006年2月号)

Mac専門月刊誌「MacPeople」(http://www.ascii.co.jp/macpeople/)2006年2月号の
のだいくこ(id:iknoda)さん担当コーナー「ノダ・エージェンシー」のネタが「知財高裁」だった。
マックやパソコン業界に関する読者の素朴な疑問に答えるというもので、
今号の調査依頼は「知財高裁とはどんなところなの?」というものである。
なぜパソコン誌で知財高裁?と思ったが、
一太郎アイコン訴訟とか、インクカートリッジリサイクル訴訟とかはパソコン業界絡み。
そしてこういう疑問がパソコン誌ででるということは、
一般の方にも裁判や知的財産が身近になっているのか。
ちなみに記事では、知財高裁の説明だけでなく、
知財高裁の田中昌利判事や弁護士知財ネットの林いづみ弁護士へのインタビューも掲載されており、
見開き2頁の記事ながらそれなりにまとまったもののように思う。


ただ、個人的に興味深かったのは、欄外「まめ知識」(151頁)

田中判事によると、判断が難しいのが「著作権」だという。例えばイラストや歌のフレーズの盗用。
人間誰しも、何かから影響を受けているものなので「盗んだ」の定義が難しい。
知財高裁での裁判でも原告・被告の感情がぶつかり合い重苦しい雰囲気になるのだとか。

裁判官であっても、著作権の判断は難しい。
言うまでもないことだろうが、こうやって発言が記事になると重みが違う。
裁判官をして「判断が難しい」のに、一般国民がどう判断できるのか。
裁判官が難しい判断をしてはじめて安心して創作活動ができるというのは、
本来の著作権法制の趣旨に反するのではないか、というのが以前からの筆者の疑問。
知財立国のめざすのであれば、創作活動を推進するための創作環境を整備しつつ、
その創作結果を保護することが必要だと思うのである。


関係ないですが、今号の読者プレゼントに「はてなTシャツ」あります。
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