個人情報過剰保護問題

本屋さんで本を眺めてたらこんな本があった。

やりすぎが会社を滅ぼす! 間違いだらけの個人情報保護

やりすぎが会社を滅ぼす! 間違いだらけの個人情報保護

ちなみに、読売新聞にも

個人情報の過剰保護、省庁や自治体で見直す動き
特集匿名社会
 中央省庁や自治体など行政側が、個人情報の保護と利用の調和を図ろうとする新たな動きを見せ始めた。
 24日には、内閣府の国民生活審議会個人情報保護部会で、経済産業省が「過剰反応の抑制措置」として、事業者向けの質疑集に、不良品回収のためメーカーに顧客情報を提供することなどは個人情報保護法上、問題がないと盛り込んだことを報告。昨年4月の保護法全面施行後、過剰反応が相次いでいたが、今月に入り、文部科学省が解説書を改訂、神奈川県も手引を作成するなど、保護法本来の趣旨に沿った見直しが進みつつある。
 保護法は、データ化された個人情報を本人の同意なく第三者に提供することを禁じているが、〈1〉法令に基づく場合〈2〉人の生命や身体、財産の保護に必要で同意を得るのが困難な場合――などは例外だ。
 捜査機関や弁護士会の照会は「法令に基づくもの」で、欠陥製品の回収も遅れれば生命にかかわることがある。だが、実際は照会を拒むケースなども多い。石油温風機の欠陥で事故が続発した問題では、量販店や小売店から経産省に、「メーカーから回収のため購入者情報の提供を求められたが、本人の同意なく提供してよいのか」という相談が寄せられていた。
 同省は、「保護法施行に伴う混乱があり、情報提供しても問題がないケースを周知する必要があると判断した」としている。
 一方、学校現場では緊急連絡網を廃止したり、掲載人数を制限したりする例が相次ぎ、保護者らから「不審者情報が共有できない」などの声が文科省に寄せられていた。今月改訂された私立学校向け解説では、連絡名簿、卒業者名簿・アルバムは「本人や保護者の同意を得れば従来通り提供できる」と明記。子どもたちが写った学校行事の写真も、展示や家庭への配布に同意は不要として、過剰反応の沈静化を図った。
 同省では「私学向けだが、自治体の条例の適用を受ける公立校も参考にしてほしい」としている。
(2006年2月25日3時25分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20060225it01.htm

という記事があったところだ。
読売新聞はこの問題に比較的熱心のようで、よくこの問題に関する記事を見かける。
今回のこの記事は、「中央省庁や自治体など行政側が、個人情報の保護と利用の調和を図ろうとする新たな動きを見せ始めた」というものだが、
事業者や私学に向けたものであって、行政府自身についてのものではないようである。
もちろん、昨今の個人情報保護に対する過剰な反応に対する措置は必要であって、このような動き自体は評価したいが、
まずは、行政側が模範を示すことも必要であろう。
また、個人情報保護の名の下に、不当に情報開示を拒んでいる行政の対応も同様に改善すべきであると感じる。
確かにこれらの場合は民主主義の実現のための情報公開の要請で、民間の場合とは異なる行政特有のものであろう。
しかし、過剰に反応していることには変わりない。この点についても同様に改善を望みたい。
いくら「保護法本来の趣旨に沿った見直し」といっても説得力がないように思うのである。