東洋経済新報社vsダイヤモンド社は和解

東洋経済新報社vsダイヤモンド社 - 言いたい放題は結局和解。

ダイヤモンド社>無断転用で東洋経済新報と和解
 ダイヤモンド社(東京都渋谷区)が昨年12月に創刊した「『株』データブック全銘柄版」について、東洋経済新報社中央区)が「会社四季報」の記述を無断転用され著作権を侵害されたとして、販売差し止めを東京地裁に求めた仮処分申し立てで、両社は1日、ダイヤモンド社が一部転用を認めて謝罪することで和解が成立した。
毎日新聞) - 3月1日14時24分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060301-00000051-mai-soci

和解の内容が報道されないは、仕方ないのでしょうか。
とはいえ、きちんとリリースされています。

(発表日 2006/03/01)
株式会社東洋経済新報社
株式会社ダイヤモンド社


「仮処分申立事件に関する和解について」


 株式会社東洋経済新報社(本社 東京都中央区、社長 高橋宏、以下「東洋経済」)は、株式会社ダイヤモンド社(本社 東京都渋谷区、社長 鹿谷史明、以下「ダイヤモンド社」)に対して、「販売差止仮処分(平成17年(ヨ)第22120号)」を平成17年12月15日に東京地方裁判所に対して申し立てましたが、本日、東洋経済ダイヤモンド社との間で以下を内容とする和解が成立いたしました。


1. ダイヤモンド社は、東洋経済に対し、ダイヤモンド社が平成17年12月15日に刊行した『ダイヤモンド「株」データブック2006年1集新春号』において、東洋経済が平成17年9月16日に刊行した『会社四季報2005年4集秋号』から、記事・記載の一部の転載並びに各種データの一部の利用があったことを認め、東洋経済に対してお詫びする。
2. 東洋経済およびダイヤモンド社は、相互に互いの知的財産権を尊重し、今後ともよきライバルとして日本の株式市場の健全な発展のために、読者に役立つ質の高い情報誌を発行する。
3. 東洋経済は、本和解の成立に伴い、ダイヤモンド社発行の『ダイヤモンド「株」データブック2006年1集新春号』の販売差止に関する東京地方裁判所への仮処分命令申立(平成17年(ヨ)第22120号)を、平成18年3月1日までに取り下げる。


以上


本件に関するお問い合わせ先
株式会社東洋経済新報社 総務局総務部 勝呂、和田
株式会社ダイヤモンド社 経営企画本部 宮澤
http://info.toyokeizai.co.jp/release/20060301.html
(電話番号のみ省略)

当社が昨年12月15日に発行しました「ダイヤモンド『株』データブック 全銘柄版」に対し、東洋経済新報社が申し立てていた販売差止仮処分に関し、2006年3月1日、当社と東洋経済新報社との間で和解が成立致しました。和解の内容は、プレスリリース(PDF)に記載の通りです。
http://www.diamond.co.jp/index.shtml

「記事・記載の一部の転載並びに各種データの一部の利用があったことを認め、東洋経済に対してお詫びする。」ということからすれば、
おそらくは、単に著作物性というだけでなく、広く見出し訴訟のような、労力へのフリーライドが問題になったのかもしれません。
それを知的財産というかは別論、一般不法行為の範疇で違法と考える余地はありますので、その点で和解に至ったのでしょう。
「今後ともよきライバルとして日本の株式市場の健全な発展のために、読者に役立つ質の高い情報誌を発行する。」
相互に共有すべき情報は共有し、独自に拾集すべき情報は独自に拾集することに意義があるということでしょう。
(もっとも共有すべき情報があることを和解がどう考えているのかは不明であり、気になるところではなる。)
著作物であろうとなかろうと、情報提供事業としては、独自に拾集すべき情報はそれそれが切磋琢磨して、
読者に役立つ質の高い情報誌を発行するのが大切であって、そのことを確認したのは意義あることと思います。
判例がでなかったことは残念ですが、このような結論を和解条件を見いだして、きちんと公開していることは、それはそれで評価したいと思います。