門前払いは聞こえが悪いが…

オレオレ詐欺訴訟で門前払い 富山地裁、訴状却下命令
 オレオレ詐欺の被害者が、だまされて振り込んだ現金を取り戻そうと、現金自動預払機(ATM)の振り込み控えに記された片仮名の名義人を相手に提訴したところ、富山地裁(剱持淳子裁判官)は27日までに「氏名や住所を特定していない」として審理入りせず退ける「訴状却下命令」を出した。地裁は被害者側の「地裁が職権で銀行に照会してほしい」との要請にも応じなかった。
 容疑者は逮捕されておらず、犯行口座の名義人住所などを被害者側弁護士が銀行や警察に問い合わせても、守秘義務などを理由に断られており、民間人に片仮名氏名以上の特定は困難。
 同種被害の訴訟による被害回復ではこうした形式上の問題がネックになることが予想され、被害者側は「しゃくし定規なやり方だ」として名古屋高裁金沢支部に抗告した。
 被害に遭ったのは富山県滑川市のパート女性(52)。代理人の弁護士によると「長女が交通事故を起こした」とのうその電話で保釈保証金名目の100万円を振り込んだ。
 直後に不審に感じて滑川署に届け、同署からの連絡で口座は凍結されたが、返金を求めようにも口座名義人はATMの控え伝票にある「ヨシザワジュンイチ」としか分からず、銀行、警察とも情報提供を拒否。やむなく「住所不詳ヨシザワジュンイチ」に返金などを求め提訴した。
 富山地裁は被害女性側に「被告の住所および氏名を特定せよ」と命令。被害女性側は事情を説明し「地裁が調査嘱託手続きで照会するべきだ」と求め、東京地裁で同種の方法が認められた例も示したが富山地裁は受け入れず、今月18日に訴状却下を命令した。(共同)
 ■訴状却下命令 裁判を起こした原告に対し、訴状に不備があり受理できないとして裁判所が提訴を退ける命令。裁判所は原告側から受け取った訴状に原告と被告の氏名や訴えの趣旨など必要な事柄が記されているかどうか審査し、不備があればまず「補正命令」を出す。補正されなければ訴状却下を命令する。(共同)
(11/28 00:09)
http://www.sankei.co.jp/news/041128/sha001.htm

このオバさん(52)の馬鹿さ加減はおいておいて、この裁判の妥当性…。
個人的にこんな裁判認めなくてもいいやん、
とは別に一応国家行為としてどうかというと…。
確かに、被告「住所不詳ヨシザワジュンイチ」だけでは特定?とは思うけど、
「請求の趣旨原因」の記載からすれば、
「住所不詳、○○銀行△△支店口座番号××××××ヨシザワジュンイチ」
で特定は可能だと思うんだよね。
けど、これと同じ理屈でいけば、
住所不詳、電子メールアドレス○○○○<送信者名欄名称(ハンドル名)>
でも裁判できるわけで…。
でさらにいえば、訴訟費用だけ負担すれば、実質氏名と住所開示ができるわけでしょ。
で、開示されたら取り下げればいい。
こういうこと考えられると、なかなか難しい。
つまり、自分で住所不詳の口座に振り込んだおばかさんの返還請求で認められるなら、
非公開アドレスに勝手に送りつけるSPAM業者を
訴えることも可能になるからいいんだけど、だからといって、
これで個人情報の開示を簡単に認められるのは困る。
だから裁判所さん、あなただったら調べれるでしょ?ってだけで
特定できてます、ってな単純な問題ではないはずなんだよねぇ…。
一般的要件の定律をどうするかが難しいです。