政治家による申し入れ事件の担当者が会見
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050112#p2
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050113#p1
の続報である。
<NHK「圧力」>海老沢会長の早期退陣訴える 長井暁氏
「会長は一日も早く辞任し、側近も総退陣してほしい」。NHKの番組内容について自民党の安倍晋三幹事長代理と中川昭一経済産業相が放送前に「偏っている」と指摘した問題で、番組の制作責任者だった長井暁チーフプロデューサー(42)は13日、異例の記者会見に踏み切り、海老沢勝二会長の早期退陣を訴えた。「会長は政治の介入を恒常化させてしまった」と、深刻な「身内の問題」を明らかにした。【NHK問題取材班】
「(会見を開くことで)不利益を被るかもしれない。4年間、悩んできたが、事実を述べる義務があると決断した」。長井さんは記者会見に臨んだ心境を問われると、涙を浮かべ、言葉を詰まらせた。
長井さんは87年にNHK入局。NHKスペシャルのシリーズ「街道をゆく」「四大文明」「日本人はるかな旅」などをデスクとして手がけた。現在は放送80周年事務局のチーフプロデューサーとして特集番組などを担当している。問題になった番組「ETV2001」のシリーズ「戦争をどう裁くか」(01年1〜2月)では、デスクとして制作現場を取り仕切る立場だった。
東京・渋谷のホテルの会見場には、新聞、放送、雑誌などから多くの記者が詰めかけた。長井さんは、当時のNHK幹部が政治家の意を受けて、制作現場に番組内容の変更を指示する過程を約1時間にわたって詳細に語った。
長井さんとの主なやり取りは次の通り。
――安倍氏や中川氏による政治介入とは。
◆(放送前日の)01年1月29日に松尾武・放送総局長(当時)らが中川氏らに呼ばれたと認識している。松尾氏は「手直しするので放送させてほしい」と述べた。国会対策の野島直樹担当局長(当時)がリードする形で手直しした。44分(の番組)を43分に短くした。(政治家とのやり取りは)放送後に信頼できる上司から聞いた。(番組のカットは)政治家の批判をかわすために作り直すと思った。翌日、さらに松尾氏が「全責任は自分が取る」と言い、さらに3分カットし、40分という異例の放送となった。こうした経緯は海老沢会長も了承していたと考えている。29日の数日前にも中川氏側に(NHK幹部が)呼び出され、「放送をやめろ」と言われた。
――海老沢会長についてどう思うか。
自民党の旧竹下派の力をバックに会長に上りつめた人だ。海老沢さんは政治家に気を使うが、それが逆にNHKは議員につけ込まれることになったのではないか。
――コンプライアンス推進委員会に内部告発した経緯は。
◆(NHK労組の)日本放送労働組合に昨年11月から相談していた。部下のディレクター3人全員が処分対象になることを恐れた。しかし、NHKの不祥事が次々明らかになる中、うみはすべて出し切るべきだと思い、告発に踏み切った。だが、1カ月たっても関係者へのヒアリングさえ行われず、野島氏らはヒアリングを拒否していることが分かった。
――NHKは何を改善すべきか。
◆国家権力との距離を考えて、政治に肉薄しなければいけないが、癒着してはいけない。ジャーナリストとしての倫理が確立されていない。
▽癒着体質に決別を 田島泰彦・上智大教授(メディア法)の話 NHKは権力に取り込まれ、感覚がまひしているように感じてきたが、今回の内部証言でそれがはっきりした。報道機関なのだから、裏で折衝するのはなく、不当な政治介入があればむしろ公表し、視聴者に問題提起すべきだ。不祥事の引責で幹部が交代するのも大事だが、権力との癒着体質と決別し、公権力のチェックという本来の役目を果たしてほしい。
(毎日新聞) - 1月13日14時56分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050113-00000049-mai-soci
長井氏自身に圧力があったわけではないので、氏の言い分だけから事実関係を認定するのは妥当でないが、
こうして記者会見に出てくるのであるから、氏の認識している事実には信憑性があるように思う。
反論があるのであれば、それこそでてきて反論すればいい。
シロにせよ、クロにせよ、こうして公開された以上オープンに検証されることになろう。
職員の横領も、受信料不払いも重要な問題ではあるが、
日本放送協会の報道機関であるための根幹にかかわる重要な問題である。
以下、氏の発言を前提に記述する。
登場するNHK側の人間は、松尾武・放送総局長(当時)と国会対策の野島直樹担当局長(当時)、
そして、海老沢勝二(いまだに)会長である。
さて、会長は会長だが、松尾氏と野島氏は今?ということで調べてみた。
松尾 武(昭和14年4月14日生)
(NHK出版ホームページより、下記アドレス参照)
昭和37年 玉川大学文学部卒業
昭和37年03月 日本放送協会入局
平成05年 番組制作局長
平成07年06月 編成局長
平成09年04月 理事
平成11年04月 専務理事
平成13年06月 NHK退任、(株)日本放送出版協会代表取締役社長(現職)
参考
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/gyoumu/h12/siryou/s32.htm
http://www.nhk-book.co.jp/corp/yakuin.html(顔写真あり)
野島直樹
(NHKホームページより、下記アドレス参照)
昭和44年07月 日本放送協会入局
平成13年06月 総合企画室〔経営計画〕局長
平成15年04月 理事(現職)
参考
http://www.nhk.or.jp/pr/keiei/yakuin/index.html
http://www.nhk.or.jp/strl/publica/dayori-new/jp/i-0311.html(顔写真あり)
いずれもまだNHKもしくは関連会社におられるようである。
直接政治家とやりとりしたのは、松尾武・放送総局長(当時)。
現場をリードしたのが、野島直樹担当局長(当時)。この2人を反論を待ちたいが、
松尾武氏に至っては、「全責任は自分が取る」とまでおっしゃっている。
しかも、上述のごとくNHKに在職する。
このことについて、会長及び経営委員会がどのような対処をするのか、非常に見物である。
ところで、表現の自由の研究者であって、経営委員会の堀部政男教授はどのようにお考えだろうか。