湯里販売所長の責任

毎日新聞社からの記事を転載してみよう。

奈良女児殺害:小林容疑者、事件当日に横領容疑で逮捕状
 大阪府警東住吉署は14日、奈良市の小1女児誘拐殺害事件で逮捕された元毎日新聞販売所従業員、小林薫容疑者(36)について、別の販売所が集めた購読代金を持ち逃げした業務上横領容疑で逮捕状を取っていたことを発表した。逮捕状を取ったのは、誘拐殺害事件が起きた昨年11月17日だった。被害の販売所は小林容疑者の所在を把握したが通報しなかった。
 同署によると、小林容疑者は毎日新聞湯里販売所(大阪市東住吉区)に勤務していた昨年4月25日、約23万円を着服して持ち逃げしたとして、販売所側が被害届を提出。同署は、うち約6万5000円分について、11月17日に逮捕状を取った。
 小林容疑者はその後、別の新聞社の販売所を経て、7月から毎日新聞西大和ニュータウン販売所(奈良県河合町)に勤務。小林容疑者は返済のため、湯里販売所長の口座に10月から4回にわたって各3万円、計12万円を振り込んだ。
 同署は湯里販売所に対し、小林容疑者の所在を問い合わせたが、所長は小林容疑者が誘拐殺害事件で逮捕されるまでは「知らない」と答えていたという。
   ◇  ◇
 本社が、被害届を出した湯里販売所長から聴取した内容は次の通り。
 昨年9月初めごろ、小林容疑者が奈良の販売所に勤務していることを知った。金の返済は、通帳を確認したところ、昨年10月7日▽11月8日▽12月6日▽12月27日の4回で各3万円の計12万円だった。10月中旬以降、逮捕状が出たと東住吉署から知らされた11月中旬にかけて、同署員に小林容疑者の所在を尋ねられたが、返済が滞るのを恐れるあまり、「知らない」と答えてしまった。申し訳ありませんでした。
 ▽毎日新聞大阪本社代表室の話 小林容疑者に11月17日の時点で逮捕状が出ていることをきょう初めて知りました。また、東住吉の販売所長が小林容疑者の勤め先を知っていたのに警察の問い合わせに対し、それを告げていなかったのは信じられない思いです。さまざまな批判を厳粛に受け止め、今後、販売所の教育・監督について、指導を徹底していく所存です。
毎日新聞 2005年1月14日 23時28分
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/jiken/news/20050115k0000m040150000c.html

歴史に「たら、れば」は禁物だが、湯里販売所長がきちとんした対応をとっていれば事件は防げたかもしれない。
もちろんそれが、被害届取り下げという処理なら同じだったろうが…。


ところで、この湯里販売所長は被疑者の居場所を知っていて告げなかったのであるから、犯人隠避罪にはあたらないか?
結果として奈良の事件が起きたことは別論、このこと自体犯罪行為にもなりうることである。
被害者自身の行為ということもあるので、問題もあろうが、書類送検はする必要があろう。
報道機関の末端を担うものとして「申し訳ありませんでした。」で済ましていけない。
毎日新聞社がこのことに対してどう処分するのか?
そのことからもあえて毎日新聞の記事を転載したが、
「今後、販売所の教育・監督について、指導を徹底していく所存です」ということ以外はわからない。
本社がどこまで販売所を監督できるか、裾野の広さを考えると困難さを伴う。
「信じられない思い」なのは、みんな同じであるが、この販売所長の犯人隠避行為にどう対処するかは
また別の話であって、どうするのだろうか?