不正な労使慣行を既成事実化するな。

大阪市の特殊勤務手当6種52億円分、来年度も支給
 大阪市は21日、総務省から「給与の二重支給になりかねない」と改善を求められている特殊勤務手当について、今年度中の抜本改革を見送り、来年度も支給を続ける方針を固めた。
 市監査委員から早期是正を勧告された水道局の業務手当に関しては、来年度からの廃止を含む見直しを進めるが、他の6種の手当については「労働組合との事前協議が来年度予算案の編成に間に合わない。中期的な課題として検討するべきだ」(市幹部)と判断した。職員厚遇批判が集まる中、市民や議会の反発が強まるのは必至で、市は再考を迫られることになりそうだ。
 危険や困難を伴う業務に支払うべき特勤手当が、通常業務の範囲内の仕事で支給されているとして、同省は昨年度、都道府県と政令指定都市の実態を調べた。
 その結果、大阪市には▽病院などのローテーション職場の変則勤務者手当▽現業職の主任に対する月額4万3000―5000円の主任手当▽市営地下鉄や市バスの運転手に乗務のたびに支給する業務手当――など7種について「本来の給料や他の手当と重複している」と改善を促した。
 同市が昨年度に支給したこの7種の手当は、計56億円。47都道府県の総額44億円を上回り、13政令市の総額108億円の半分以上を占めた。
 このため、市は対応を検討。7種のうち、水道局の係長級以下の全職員に一律支給している業務手当(約3億7000万円)は、住民監査請求を受けた市監査委員が17日に「早急に廃止するべきだ」と指摘したこともあり、見直しを進める方向となった。
 しかし、残る6種、約52億円分は「労使慣行で、各手当について個別に労組と話し合う必要があり、今年度中には結論を出せない」(市幹部)とし、来年度当初予算で廃止や削減を反映させるのは不可能と判断。近く識者らを交えて設ける市政全般の立て直し策の検討機関「市政改革本部」の主要議題とする一方、労使協議を進めることにした。
 市では、福利厚生制度等改革委員会が13日、来年度からの福利厚生事業7項目の見直しを打ち出したことに伴う記者会見で、委員長の大平光代助役が、来年度当初予算に手当の廃止や削減を反映させる考えを示唆。交通局も昨年10月の市議会委員会で、業務手当について追及され「見直したい」と答弁していた。
(2005/1/22/03:07 読売新聞 無断転載禁止)

こういうことしていると、公務員の労働権保障は民主制との関係で大きな制約を受けると解した方がよいうのではないか?
と思わないでもない。
いや、交渉権はあってもいいが、それがために民主的決定が排されると言うのは、
民主主義原理のもとでは妥当ではないのではないだろうか?
一方で市全体の自浄能力に期待するのであれば、労働組合は来年度は、これら特殊勤務手当について来年度は凍結した上で、
1年かけて検討するということも可能なのである。
監査委員会のなめられてもので、そういう体質そのものが大阪市の不正を助長しているのではないだろうか?
「労使慣行」が適正なのものであれば、そういう大口をたたいてもらって結構だが、それが不適正だと考えられているのである。
法秩序を逸脱した慣行は、許容できないのである。
監査委員が改善を促した以上、市が判断できないからそのままではなく、むしろ、労組側で必要であることを証明させればいいのである。
そうでなければ、凍結しても問題ないのではないだろうか?


鳴りもので入り?で助役に就任した「弁護士」大平光代も、そんな口先だけの理論に流されているのでは、
たいしたことないようである。
組織ぐるみの不正だからこそ、外部からの人間がしっかりするべきなのである。
給料泥棒になりたくなければ、いまこそしっかり働くときである。
来年度当初予算に手当の廃止や削減を反映させる考えを示唆した以上、できなければ、己の退職金(あるのかな?)を
返上したうえで、辞任するべきである。