北朝鮮相手に危ない橋を渡るなよ。

遺骨公表に異議なし 政府、文書作成は認める
 杉浦正健官房副長官は25日午前の記者会見で、昨年11月の日朝実務者協議で北朝鮮側から横田めぐみさんのものとして遺骨を渡された際に、公表しない旨の文書を作成していたことを認めた。その上で、遺骨を受け取った後、口頭で北朝鮮側に、横田さんの両親の意向を踏まえ公表する可能性を伝え、異議がなかったことを明らかにした。
 町村信孝外相も記者会見で「公表する、しないという議論はあったようだが、最終的に『家族の了解がとれた場合には公表することはあり得る』ということを言い、先方はそれに対して異議を出さなかった」と述べ、公表した日本の対応に問題はないと反論した。
 北朝鮮側は、当時の藪中三十二アジア大洋州局長(現外務審議官)がめぐみさんの夫とされる男性と公表しないと約束し、それを破ったと批判している。
共同通信) - 1月25日13時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050125-00000120-kyodo-pol

北朝鮮との外交については、相手の言い掛かりを防ぐ方策を練っておくべきであり、
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20041231#p2でも述べたが、
鑑定だって、日本だけでやってことにはツメが甘いと思っていた。
そこへきて、書面を破る口約束、しかも黙示があるから、というのでは、反論にならない。
口約束に効力がないとはいわない。
しかし、そもそも相手が異議を唱えなかったということが口約束を成立させるのか、
「「公表する、しないという議論はあった」という認識のもとで、
そのように考えるのは少し強引すぎるのではないかと思うのである。
しかも、別途「公表しない旨の文書」がある。
こちらは証拠という点で争う余地のほとんどないものである。
(余地はあるが、日本政府も争わないからこの点は省く)
その後に合意で別の約束をしたとしても、それは書面化しておくべきだったのである。
黙っていたからOK。とは、とんでもない解釈である。
もちろん、「異議を出さなかった」ときの状況如何では、有効である。
しかし、相手は北朝鮮である。
あとでのあったなかったというのは特に問題になるのであり、
しかもすでに書面があることからすれば、特段の合意は明確にしておくべきだったのである。
それをしなかった外務省の失態を言わざるを得ない。ツメをきっちりしておくべきである。