保護について

「個人情報保護」ということが意識されている今日このごろではあるが、
何でもかんでも「個人情報」を理由に説明を拒むのは間違いである。
たとえば、年金未納問題の時の自民党であり、今般の NHKである。
一般論として、「個人情報」は開示しない、というのは正しい。
しかし、何を「個人情報」とし、意に反して開示しないのかということを考えねばいけない。
たとえば、一般的に給料、年収は個人情報である。
たとえば、銀行や信託銀行、証券会社が顧客のそれをしった場合、その管理は厳重にされねばなるまい。
しかし、国やNHKといったものの場合の支払うべき報酬はそれとは異なる。
それは、その支出行為が監督される必要があるであり、
そもそもそれら団体側の情報として管理されるものだからである。
したがって、公務員の俸給は法律からある程度判明するし、
対象公務員が一人しかいない場合には、それが判明するのである。
NHKの顧問料はまさにこれにあたる。
NHKが顧問にいくら支払うのかということが監視されているのである。
それを受け手の事情で「個人情報」だから開示しないというのは誤りである。


では、かつての自民党の場合はどうか?
まず、個別的な年金情報が「個人情報」かということ、これはあたるといってよい。
しかし、本人の意に反して開示できないというだけである。
当時の官房長官が自身の情報について、「個人情報だから開示できない」したのは、
私が嫌だから開示しないというにすぎないのである。(ただし、ご自身は不手際を認め辞任している。)
また、議員は自ら公開することが可能であり、党がとりまとめて、開示することができるのであり、
年金国会といわれた当時において、社会的な関心事として求めらたことはまさにそこだったのである。
ここでは、個人情報を政治的に開示することが求められたのであって、
本人が「個人情報」を理由に拒むことが是非が問題だったのである。


「個人情報」保護は必要である。
しかし、情報管理者にとってそれが本来的に公表しなければいけない情報の場合、
それはそもそも開示から保護すべき個人情報にはあたらない。(NHKの例)
また、意に反して開示を求められない情報であっても、
社会公共のために、それを開示することが求められている場合があり、
それにもかかわらず本人が単に「個人情報」を理由に拒むのは誤りであって、
なぜ、その個人情報を開示したくないのかという点を説明しなければならないのである。