ライブドアvsフジテレビ〜ニッポン放送をめぐる攻防〜その7

その1
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050212#1108151898
その2
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050223#1109154089
その3
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050224#1109193675
その4
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050225#1109271054
その5
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050226#1109352342
その6
 http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050227#1109440504

仮処分の審尋ははじまっているようですね。

ライブドアvsニッポン放送…審尋でヤリ手弁護士激突
 ライブドアニッポン放送新株予約権発行の差し止めを求めた仮処分申請で、東京地裁は1日午後、双方の主張を聞く初めての審尋を開き、双方の代理人弁護士が主張を述べた。
 ライブドアの猪木(いぎ)俊宏弁護士は、ネット上で法律情報を提供する若手の“IT弁護士”。対するニッポン放送中村直人弁護士は、経済誌の企業法務弁護士ランキングで1位になった実績を持つ。2人の専門家の手腕が、仮処分の行方を左右することになりそうだ。
 審尋は午後1時半から、東京地裁3階にある民事8部の一室で開かれた。裁判官を前にしての訴えは約1時間半。ライブドア側は「新株予約権の発行は、ニッポン放送の経営陣の支配権維持が目的で不公正」と主張し、ニッポン放送側は「フジサンケイグループに残ることが企業価値を高める」と反論したと見られる。
 「勝てると思っている。既存の、古いものだけが勝つわけではない」。猪木弁護士はこの日、旧体制への挑戦とも取れる言葉を報道陣に残し、審尋に臨んだ。
 1998年に弁護士登録した若手ながら、企業合併を多く手がけた大手事務所で実績を積み、特に商法については、複数の共著書を出版するなど詳しい。自ら書き込み自由の簡易ホームページを開設。判例や法改正について、不特定のネット利用者と常に情報交換も行っている。元同僚の弁護士は、「頭が切れるし、企業法務の世界にいる割には、刑事訴訟のような勝負事への関心も強い」と話す。
 中村弁護士は、85年に弁護士登録した中堅だが、企業法務担当者のアンケートを基に作成される日経ビジネス誌の「人気弁護士ランキング」では常に上位にランクされ、2004年7月19日号ではトップに輝いた。法律雑誌のインタビューでは、「切った張ったの裁判が好き。裁判官の心証に合わせて最低限必要な証拠だけを出し、早く勝つことにやりがいを感じる」とも語っている。
 ニッポン放送が1994年に新株を発行した際、当時の筆頭株主鹿内宏明フジサンケイグループ元議長が差し止めを求めた仮処分申請では、ニッポン放送側を勝利に導いた。この裁判で鹿内元議長側の代理人を務めた河上和雄弁護士は、「商法の規定を形式的に判断したがる裁判所の傾向に、うまく対応していたように思えた」と振り返る。
(読売新聞) - 3月2日3時9分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050302-00000201-yom-soci

弁護士紹介中心の記事だからかもしれないが、もうちょっと審尋の内容を書いて欲しいなぁ、という感じ。
審尋の内容は今までの主張通りだよね。特に目新しいものもなし。
ちょっと面白かったのは、中村直人弁護士はかつて「河上和雄弁護士」相手に勝ったと言うこと。
検察出身だからねぇ。知名度はあるけど、企業法務にどれだけ強いかと言うと疑問に思います。
筆者としては、ライブドア勝訴の推定からはじまって、ニッポン放送の主張の正当性如何。
ただ、証券取引(株主の地位移転)についてはくわしくないので、何ともいえません。
適法であればよい、というのであれば、取りあえず差止は認めて良いような感じはします。
上場しておきながら「フジサンケイグループに残ることが企業価値を高める」というのは
禁反言に近いような感じもします。
ライブドアはある種教科書通りの主張をすればいいだけのように思うので、
ニッポン放送がいかにその正当性を主張するかが見物です。
世間的には、弁護士がどうのという記事がうけるのかもしれませんが、
主張の内容の方が気になります。非公開で知り得ないから書けないだけもしれませんが…。


さて、そんななか、
ニッポン放送の経営権に関するニッポン放送社員声明文
http://www.1242.com/info/seimei/
まぁ、だからといって裁判で勝つ要素にはならないとは思いますけどね。
経営者が株主を選べないと同様、従業員も選べません。
まぁ、株主かわれば全員辞職とでいえば事実上の圧力になるかもしれませんが…。
球団合併時の近鉄選手の主張と比べても面白いかもしれませんね。
似ているようで似てません。


そして、

ライブドア弁護士が辞任 「個人的理由」と説明
 ニッポン放送フジテレビジョンに対して大量の新株予約権を発行したのは不公正として、東京地裁に発行差し止めの仮処分を求めているライブドアの主任弁護士が辞任していたことが3日、分かった。
 双方の意見を聞く審尋の第2回目は4日午前に開かれる予定だったが、ライブドア側の主任弁護士が辞任した影響で審尋の日程が延期される可能性もあり、法廷闘争の行方に影響を与えそうだ。
 辞任した理由についてライブドアは「個人的な理由」(広報)と説明している。
 辞任したのは、三井法律事務所の猪木俊宏弁護士。猪木弁護士は証券取引や企業の合併・買収(M&A)、IT(情報技術)関連法規に精通、商法分野に関しては有数の専門家といわれている。ライブドアが仮処分を申請した24日から主任弁護士を務め、1日に開かれた第1回の審尋でも主任弁護士として出席していた。
共同通信) - 3月4日0時41分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050304-00000001-kyodo-bus_all

だそうです。
個人的理由が何かはわかりませんが、ご病気とかならともかく、
この時期に辞任と言うのはあまりに無責任のような気がします。
(仮処分、しかも申請人側代理人で、審尋の1回目と2回目。)
ちなみに猪木さんのホームページは→http://igi.jp/
ライブドア側の主張は主任弁護士がかわってもそうかわりないと思いますが、
どうなっていくのか?TOB期限も迫ってますしねぇ。