埼京線で女性専用車両拡大導入。
目次
女性専用車両終日導入
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20040906#p1
東京でも導入。
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050328#1111935912
首都圏女性専用車両プレスリリース
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050404#1112596977
参考記事
IC定期券の今後?
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050204#1107496367
汚名返上!朝も女性専用車=「痴漢ワーストワン」の埼京線
首都圏で「痴漢ワーストワン」のJR埼京線で4日から、朝のラッシュ時も女性専用車両が導入された。これまでは深夜帯のみの運行だったが、女子学生の被害が目立つ朝の時間帯にもようやく登場した。
警視庁のまとめによると、昨年1年間の電車内の痴漢件数は、埼京線が217件と最も多かった。朝の女性専用車両は新宿駅を7〜9時台に発着する35本で、最前部の1両が充てられる。
毎朝通勤で埼京線を利用するという新宿区の女性会社員(21)は「(女性専用車が)あると安心。痴漢に遭うという心配がなくなった」と話した。一方、豊島区の男性会社員(45)は「車両を分けなくてはいけないこと自体が情けない」と「痴漢ワーストワン」の汚名を嘆いた。
(時事通信) - 4月4日10時0分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050404-00000893-jij-soci
痴漢ワーストワンで217件/年の埼京線で女性専用車両が導入されたらしい。
うん?年間217件の痴漢のための性区分ですか?
1年の平日がおよそ260日で217件。1日1件ないんですねぇ。
その1つあるかないかの痴漢のために女性専用車両とは、もっと被害が大きいと思ってました。
1日5〜10件とか。
もちろん、被害申告してないものあるんでしょうが、そのための手段として35本が女性専用車両。
う〜ん。痴漢被害防止の社会的負担としては微妙なところですね。
痴漢被害者は気の毒に思いますし、痴漢を肯定するものでもありませんが、
そのための手段として女性専用車両は、あまりにも無関係な人を制約しすぎるものだと思うのです。
実際に痴漢にあわれる人には当然いいんでしょうし、犯人が男性あるなら効果があるでしょうが、
実際上は、痴漢被害妄想者と痴漢加害妄想者への安心感への寄与という側面が大きく、
特に後者は幻想であるということは注意する点でしょう。
上のインタビューの「痴漢に遭うという“心配が”なくなった」ということにあらわれています。
ちなみに、他の首都圏の痴漢件数というと、
路線別の痴漢件数(2004年)
路線 件数
〈1〉JR埼京線 217
〈2〉JR中央線 188
〈3〉JR総武線 121
〈3〉京王線 121
〈5〉JR山手線 119
〈6〉東京メトロ東西線 105
〈7〉東京メトロ千代田線 95
〈8〉東急田園都市線 86
〈9〉小田急小田原線 80
〈10〉西武池袋線 79
(2005.2.8)
http://www.yomiuri.co.jp/komachi/news/20050208sw31.htm
ということだそうです。
これがすべて朝のラッシュ時なのか、どうかというのも検討の上で重要なのですが
これらの線で導入して、1年後に件数がそれないに減ったり、0になっているのであれば、
(手段そのものの是非はともかくとして、)効果があるということなんでしょうけど、
そうでなければ、意味のないことだったということになります。
大阪ではすでにそういうデータが多く示されていても不思議でないのですが、自ら開示しているところはないようです。
まぁ、大阪で効果があったからこその導入ということにしておきましょう。
ちなみに、大阪市交通局によれば
平成14年11月に御堂筋線に女性専用車両を、平日ダイヤ運行日の「初発から午前9時まで」導入し、その結果、導入時間帯において痴漢被害の届出は大幅に減少いたしました。
https://www.kotsu.city.osaka.jp/ssl/koe/women_faq.html
ということだそうですが、数値としてどう変化したのか示されていません。
また、
東海3県内では、名古屋市交通局が地下鉄東山線で女性専用車両を03年6月から本格導入。始発から午前9時まで6両のうち1両を指定している。明確に痴漢減少傾向は出ておらず他線への拡大予定はないが、「女性の利用者からは安心して乗れると聞いています」(同局)。一方JR東海、近鉄、名鉄では混雑具合が首都圏などと比べ低いことなどから、現在導入を検討していない。【清藤天】
毎日新聞 2005年1月25日 中部夕刊
http://www.mainichi-msn.co.jp/search/html/news/2005/01/25/20050125ddh041040001000c.html
という例もあり、その実効性は大義名分であることからも重要であると思います。
なお、試験導入時のデータとして、
「女性専用車両 路線拡大モデル調査」報告書の概要について
http://www.mlit.go.jp/kisha/kisha03/15/151209_.html
があり「試験導入前後の痴漢被害届出件数の推移」が掲載されていますが、
一部で逆転減少も生じています。
阪急及び京阪における女性専用車両の試験導入後の6ヶ月と前年同期における痴漢被害の届出件数は以下のとおりであり、試験導入後に若干減少している。
ただし、下記グラフの件数は、両社の全時間帯、全列車を対象としているが、試験導入は特急等一部の列車で行われ、京阪にあっては朝ラッシュ時間帯のみで導入されたことに留意する必要がある。
ということだが、そうであれば、実施時間帯できちんと比較するべきであり、調査のずさんさが見えてくる。
手段の合理性の判断には、客観的データを示すべき(証明すべき)義務が国交省なり、鉄道事業者なりに有るであって、
是非ともマスコミ各社さんにも、利用者の意見だけといった主観的なものだけでなく、
そういう角度からの報道もしてほしいものです。
まぁ、埼京線の被害実態を伝えて頂いただけでもかなりよかったんですけどね。この記事。
女性専用車両の効果を正確に伝えていない、伝えられていない状態は改善するべきように思います。