著作隣接権侵害で逮捕。

隠し撮り映像ネット販売　氷室京介ファン２人逮捕
　人気ロック歌手氷室京介さんのコンサートを隠し撮りした映像などを無断で販売したとして、警視庁築地署は３０日までに、著作権法違反容疑で京都市伏見区向島下之町、無職高矢知弘容疑者（２７）と京都府宇治市五ケ庄広岡谷、無職永谷友一郎容疑者（２６）を逮捕した。
　調べでは、２人は昨年９月から１０月にかけて、インターネットのオークションを通じて東京都調布市の男性会社員（３５）ら５人に氷室さんのコンサートの映像を収録したＤＶＤ−Ｒなど計１３枚を約６万７０００円で売り、氷室さんの著作隣接権を侵害した疑い。
　２人は隠し撮りするなどして入手したコンサートの映像などを次々にネットのオークションに出品。２００３年６月から今年２月までに約１６００回の落札があり、約２０００万円を売り上げて氷室さんのコンサートへ行く旅費などに使っていた。
（共同通信） - 5月30日13時15分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050530-00000098-kyodo-soci

コンサートの無断撮影を実演家の録音・録画権侵害で構成。

（録音権及び録画権）
第九十一条 　実演家は、その実演を録音し、又は録画する権利を専有する。
２ 　前項の規定は、同項に規定する権利を有する者の許諾を得て映画の著作物において録音され、又は録画された実演については、これを録音物（音を専ら影像とともに再生することを目的とするものを除く。）に録音する場合を除き、適用しない。

第百十九条 　次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
　一 　著作者人格権、著作権、出版権、実演家人格権又は著作隣接権を侵害した者（……）
第百二十三条 　第百十九条……の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

告訴をしたのが、氷室氏（だけ）だったから、ということだろうか。
氷室氏が楽曲の著作者（作詞、作曲、編曲者）だったら著作権（複製権）侵害でもいいんでしょうけど…。
そうであったりなかったりするから、端的に実演家の権利というころなのかな？
まぁ、すべての楽曲につき、実演しているわけだから、わかりやすいといえば、わかりやすいと思います。

ちなみに、「隠し撮り」であっても堂々と撮っても、違法は違法です。
堂々と撮ったのに何もなかったことから、推定的許諾なんてことを考え出したら別論ですけど、
それでも私的複製を黙認？ということ以上の意味はないでしょうねぇ。
コンサートでの私的録音録画禁止の条項については、本論と離れるので割愛します。
→http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050509/1115577829参照。
著作権は「隠し撮り」を禁止する法ではないので、誤解のないように。

ところで、壇弁護士曰く（「檀」とすると氏名表示権侵害で訴えられるかもしれない？）

歌がなければ刑事的にはおとがめ無しで、歌があれば著作権侵害にも著作隣接権侵害にもなる。
著作隣接権と著作権: 壇弁護士の事務室
http://danblog.cocolog-nifty.com/index/2005/05/post_00de.html

だそうですが、振り（ダンス）が著作物といえれば、歌なしでもなんとかなるのでは？と思います。
ただ、著作物性の認定が、楽曲ほど容易でないとすれば、刑事的には躊躇されるのかもしれません。
顔のアップだけになると、それこそ化粧の著作物とか言わない限り著作権法の範疇ではないのでしょう。たぶん。
この場合には、ほんとどうしようもないかな？刑事的には…。
また、この場合には、メークアップアーティストが告訴しないと…とかいう話にもなりそうです。たぶん。

それにしても、「約１６００回の落札があり、約２０００万円を売り上げ」って、１枚平均12500円で売れてるってこと？
そんなに需要があるんですねぇ〜。

Case of HIMURO 15th Anniversary special LIVE [DVD]

KYOSUKE HIMURO TOUR 2003“HIGHER THAN HEAVEN” [DVD]

KYOSUKE HIMURO“21st Century Boowys VS HIMURO”An Attempt to discover new truths [DVD]

これではファンは不十分ということなのでしょうか？