賭博一律違法論は成り立たない。

ちょっと前の記事。

野球賭博で組員ら34人逮捕 賭け金3年で90億円?
 大阪府警捜査4課などは13日までに、プロ野球の公式戦を対象に賭博をしたとして、賭博開帳図利などの疑いで兵庫県姫路市西今宿3丁目、指定暴力団山口組系組員吉見和生容疑者(33)ら胴元や客計34人を逮捕、5人を書類送検した。
 同課などは、2001年から3年間の賭け金総額は約90億円に上るとみている。
 調べでは、吉見容疑者は04年9月、客9人にプロ野球の勝敗を予想させ、1口1万円で計約2300万円を賭けさせたほか、ほかの胴元らも04年に開催された公式戦を対象に賭場を開くなどした疑い。
 吉見容疑者らは近畿地方を中心に関東や中国、四国地方の客からも電話で申し込みを受け付け、賭け金を銀行口座に振り込ませて1割を利益として吸い上げていたという。
共同通信) - 7月13日18時58分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050713-00000222-kyodo-soci

1割だったらいいんじゃないの?というのが率直な感想。
違法賭博って法外なテラ銭だからダメっていうイメージがあるけど、違う。
公営ギャンブルの方がテラ銭率(控除率)ではタチが悪い。
軽く調べてみると公営競技が25%、宝くじが40%、TOTOが47%だそうだ。
参考:http://www.toko.or.jp/airport/casino/casino3.htm
まるで「1割を利益として吸い上げていた」のが悪いような印象の記事だけど、
価値判断としては、決してそれが「悪い」ことではないはずである。
法規範に反しているという意味では悪いけど、じゃあその規範自体はどうなの?というと、
少なくともテラ銭割合を責めるべき合理性がまったくない。
だとすれば、テラ銭が公共のために用いられればいいのか?
この暴力団員さんはさらに2割くらい利益を吸い上げても、
それをユニセフなどの慈善事業に寄附すればそれでよかったのだろうか?
賭博開帳の正当化要素は公益事業・慈善事業への寄与であるといえなくはないが、少なくともこの記事にそういう指摘はない。
法律がある、ないということを除くと、実は価値判断としてはTOTOの方が悪いことのように思うのである。
そもそも、賭博は刑法で禁止されている。公営も含めてすべて禁止しているのであれば、まだ合理性はある。
が、公営はよくてそうでないのはダメというのがわからない。やはり公益慈善事業への寄与が正当化要素なのか?
役人が法律つくって刑法適用除外して、天下って役員報酬を得るというのは、暴力団さんのやっていることと何が違うのか?
法律という形式の違いでしかなく、実質的な内容たるや暴力団さん以下だったりもするのである。
なんだか日本スポーツ振興センター等に天下って報酬を得る公務員は暴力団と同じだな。
「再就職 日本スポーツ振興センター」「再就職 日本中央競馬会」とかで検索すると実際にそういう元役人がいるみたいだけど…。
「法律違反=悪いこと」と思う人が多いですが、その法律の妥当性を考えると、一概にそういう判断はできないでしょう。
この場合、暴力団の資金源になっていることが問題で決して一割吸い上げたことではないような…。