門真市長が大阪府知事の演説を盗用

園部・門真市長 知事演説を盗用? 所信表明「感銘受け丸写し」
 大阪府門真市の園部一成市長が、今月二十日に開会した市議会で述べた所信表明演説の一部が、太田房江・同府知事が昨年三月に行った施政方針演説から引用されていたことが二十二日、分かった。園部市長は「丸写しと言われても仕方ない」と引用を認めている。
 園部市長の演説のうち、冒頭で政策の軸として掲げた三点の「地域主権」「生活者の視点」「民間との協働」が太田知事とまったく同じ。表現についても、「府政」を「市政」に置き換えたり、「参りました」を「参りたいと考えております」と直しただけになっている。
 また、「日本の歴史においては、(中略)ほぼ400年の周期で文明史的に大きな変化が起こり、これが日本の首都機能移転の周期ともピッタリ重なっているとの説があります」などの部分はひらがなを漢字に直したり、言い回しを多少変える程度。地域主権三位一体改革など園部市長がキーワードとして強調したくだりを含め、総論部分はほぼ同じだった。
 さらに、目標として掲げた「たくましく希望あふれる」「市民が生きがいの持てる」についても、太田知事が挙げた「タフでたくましい」「生きがいを持って暮らせる」に似通っていた。
 市によると、所信表明は園部市長自らが執筆し、議会演説の前に各部幹部がチェックしたが、総論部分は原文のままで、引用には気が付かなかったという。
 園部市長は「文章を変えたら(引用を)意図的に隠そうとしたみたいなので、そのまま引用した。丸写しと言われても仕方がない。素人がつくるよりいい文章で、短くてわかりやすかった。太田知事の考えに感銘を受けたので、インターネットで引いて使わせてもらった。こんな大ごとになると思わなかった」と話している。
産経新聞) - 9月22日15時20分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050922-00000031-san-soci

門真市長>所信表明演説大阪府知事の運営方針説明を引用
 大阪府門真市の園部一成市長が20日開会の9月議会で行った所信表明演説の一部が、昨年3月に太田房江知事が府議会で行った府政運営方針説明と酷似していることが22日、分かった。園部市長は「自分の考え方と同じなので引用したが、出所を明記すべきだったと反省している」と話した。
毎日新聞) - 9月22日22時33分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050922-00000137-mai-pol

ちょっと前に

愛称「うーみん」が同じ 香川・宇多津町と海保
2005年08月28日06時26分
 香川県宇多津町が町おこしに作ったイメージキャラクターの愛称「うーみん」が、海上保安庁のマスコットの愛称と同じだったことがわかった。
 町によると、6月の愛称公募に県内外から312人の応募があり、最多の12人が「うーみん」で応募。同じ愛称のキャラクターがあるとは考えもしなかったという。
 町はそのまま使うことを決め、商標登録する。登録していなかった海上保安庁は「先を越されたことより、応募した人も選んだ人も知らなかったことがショック」。
http://www.asahi.com/national/update/0828/TKY200508270281.html

というニュースがあったけれども、これと同じで太田知事としてはチェックした人か気づかなかったのはショックなのかなぁ?
でも、市長が賛同して使ってくれたことはうれしいのかなぁ?
どういう経緯でこれが公になったのかも気になるところ…。
知事の感銘を受けるのはいいけれども、やっぱり自分の言葉で言い直していって欲しいよね、政治家なんだから。


さて、これを著作権法から考えてみると結構おもしろい。

(引用)
第三十二条  公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

(出所明示はともかくとして、判例の要件も含めて)引用の要件をみたしているか?


また、出所明示に関して、

(出所の明示)
第四十八条  次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
 一  第三十二条…の規定により著作物を複製する場合
 三  第三十二条の規定により著作物を複製以外の方法により利用する場合…において、その出所を明示する慣行があるとき。
2  前項の出所の明示に当たつては、これに伴い著作者名が明らかになる場合及び当該著作物が無名のものである場合を除き、当該著作物につき表示されている著作者名を示さなければならない。

となっているが、「複製以外の方法により利用する場合」については、
「その出所を明示する慣行があるとき」に出所明示が要求されているけれども、
これが前代未聞だとすれば、そんな慣行があるのかも不明だったりして。
でもネットで公開するときには「複製」も伴っているから、ここでは必要?とか。


さらに、用いられたのが、太田府知事の平成16年3月に行った施政方針演説で「公開して行なわれた政治上の演説」だが、

(政治上の演説等の利用)
第四十条  公開して行なわれた政治上の演説又は陳述及び裁判手続(行政庁の行なう審判その他裁判に準ずる手続を含む。第四十二条において同じ。)における公開の陳述は、同一の著作者のものを編集して利用する場合を除き、いずれの方法によるかを問わず、利用することができる。

にあたりうるのか?
あたったとしても、

(出所の明示)
第四十八条  次の各号に掲げる場合には、当該各号に規定する著作物の出所を、その複製又は利用の態様に応じ合理的と認められる方法及び程度により、明示しなければならない。
 二  …第四十条第一項若しくは第二項の規定により著作物を利用する場合

出所明示はやはり必要だが…。
面白いとかいいながらボールは投げっぱなし…。興味ある人は考察してみて下さい。


それにしても、前半部分はそのまんまである。見比べてみるとよくわかる。

(太田府知事)府政運営方針説明(要旨)
http://www.pref.osaka.jp/j_message/hatsugen/file/040302.html
園部市長「所信表明」
http://www.city.kadoma.osaka.jp/osirase/osirase0.html

大阪府
 本日、平成16年3月定例府議会を招集いたしましたところ、議員の皆様方におかれましては御出席を賜り、厚くお礼申し上げます。
 このたび私は、再び府民の皆様の御負託を得て、大阪府知事として、2期目の府政運営を担当することとなりました。この重責を果たすため、全力を挙げて府政の推進に努めてまいりますので、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。
 知事選挙後初の府議会にあたり、今後の府政の推進について、私の所信の一端を述べ、議員並びに府民の皆さんの御理解と御協力を賜りたいと存じます
門真市
 平成17年門真市議会第3回定例会の開会に際して、今後の市政の推進について、所信の一端を申し述べ、市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

大阪府
 私は、「地域主権」、「生活者の視点」、「民間との協働」を政策の軸として、時代の変化に対応した府政への転換を進めてまいりました。幸い、これらがようやく府政の隅々に浸透しつつあります。さらに、これを徹底し、「府民の皆さんと行政が、一緒に考え、一緒に進めていく」という気持ちで、大阪全体で目標を共有し、共同作業を積み重ねる、そのような府政運営に努めてまいりたいと思います。
 私の2期目の4年間は、この国の「地方自治の新たなかたち」を築き上げていく大変重要な時期だと受け止めております。
門真市
 私は、「地域主権」・「生活者の視点」・「民間との協働」を政策の軸として、時代の変化に対応した市政への転換を進めてまいりたいと考えております。「市民の皆様と行政が一緒に考え、一緒に進めていく」という気持ちで目標を共有し、共同作業を積み重ねる。その様な市政運営に努めてまいりたいと考えております。これからの一期4年間は、この国の「地方自治の新たなかたち」を築き上げていく大変、重要な時期だと受け止めております。

大阪府
 日本の歴史においては、平安京から鎌倉幕府までの400年、その後徳川幕府が開かれるまでの400年、さらに、その後の今日まで、ほぼ400年の周期で文明史的に大きな変化が起こり、これが日本の首都機能移転の周期ともぴったり重なっているとの説がございます。文明の変化に合わせて、私たち人間は、社会のありようや統治の体制を改革してまいりましたが、この説に従えば、400年前に江戸、つまりは東京を首都とし、近代化を経て築き上げてきた中央集権型・東京一極集中の体制は、一つの文明として終焉を迎え、いよいよ新展開が図られるべき時期に来ているということになります。
門真市
 日本の歴史においては、平安京から鎌倉幕府までの400年、その後、徳川幕府が開かれるまでの400年、更にその後の今日までほぼ400年の周期で、文明史的に大きな変化が起こり、これが日本の首都機能移転の周期ともピッタリ重なっているとの説があります。 文明の変化に合わせて私たち人間は、社会のありようや、国を治める体制を改革してまいりましたが、この説に従えば、400年前に江戸、つまり東京を首都とし、近代化を経て築き上げてきた中央集権一極集中型体制は、ひとつの文明として終焉を迎え、いよいよ新展開が図られるべき時期に来ているという事になります。

大阪府
 次の400年は、もはや日本の中で大阪だ、東京だと言っている時代ではなく、地球規模で都市間競争が繰り広げられることになるでしょう。既にアジア、アメリカ、EUでは、いくつかの大都市が核となって、その活力が国の競争力に直結する、そういう時代になっています。我が国においても、自立した地域が主役となり、「地域主権」を確立するとともに、経済、文化、暮らしの面でも、それぞれの個性を発揮していかなければなりません。
門真市
 次の400年は、世界は大競争時代を迎え、今や、人や企業が更なる活動の場を求めて、地球規模で往来する大交流の時代でもあります。ボーダーレス化が進む中で、きのうの延長線上に明日があると言う、予定調和的な考え方は通用しなくなり、旧来の制度や、社会システムが根本から問い直されています。そして、その中から新たな繁栄に向けて、誰もが目標に挑戦できる、自由と活力に満ちた社会の仕組みづくりが始まろうとしています。
 日本においても、旧来の企業系列はおろか、国境、をも超えた企業合併やソフトバンク楽天ライブドアなどという企業に代表されるベンチャービジネスの、急成長に見られますように、大競争の時代が現実のものとなり、国際化や情報技術革新が急速な勢いで進む中で、都市間競争も激しさを増しております。このような時代に、新たな繁栄を築く為には、何をなすべきか、市民にとってより良い門真市を実現する為には何が必要なのか、それをしっかり見極めて、新たな取り組みを進めていかなければならないと、改めて強く感じているところであります。その為にも自立した地域が主役となり、「地域主権」を確立すると共に、経済、文化、暮らしの面でもそれぞれの個性を発揮していかなければなりません。

大阪府
 折しも、三位一体改革の議論が進んでおり、地域主権がようやく輪郭を現してまいりましたが、まだまだわずかに扉が開いた程度です。今こそ、私たち自治体の力量が問われているわけですが、真の地域主権を実現していくためには、国と自治体との間の権限・財源の問題だけに矮小化するのではなく、地域づくりの主役である住民と行政の新しい関係づくりを含めた、まさに「改革」にしていかなければなりません。次の時代への転換の舵を切るためには、成熟した生活者の力が大切だと考えるからです。
門真市
 折しも“三位一体改革”の議論が進んでおり、「地域主権」がようやく輪郭を現してまいりましたが、まだまだわずかに扉が開いた程度であります。今こそ私たち自治体の力量が問われているわけですが、真の地域主権を実現していく為には、国と自治体との間の権限・財源の問題だけに矮小化するのではなく、地域づくりの主役である住民と行政の新しい関係づくりを含めた、まさに「改革」にしていかなければなりません。次の時代への転換の舵を切る為には、成熟した生活者の力こそが、大切だと考えるからです。

大阪府
 「市民として普通の感覚を大切にして活動していきたい」とおっしゃるのは、コミュニティ・ビジネスで地域の課題解決に取り組む女性です。現に今、大阪の其処かしこで、社会を変えようとする地域の生活者による動きが力強く育とうとしております。こうした一人ひとりの多様な力を束ね、さらに一つの大きな力に育て上げ、時代の歯車を動かすことが自治体の役目です。そして、私自身がその先頭に立ち、地域のニーズを国につないでいくことで、地域主導のボトムアップ型政策形成を実現していきたいと思います。
 私は、只今申し上げました基本認識のもと、積極的に地域に出て府民の声を聞き、たくましい民の力と現場の実践を活かした、新しい時代にふさわしい府政の確立に努めてまいります。
 私は、かねがね大阪は東京の、あるいは日本の10年先を歩いていると感じております。大阪には、複雑化する都市問題、危機的な財政状況など、日本が抱える課題が凝縮して表れ、厳しい環境におかれておりますが、私達は、この10年間、その解決の糸口を求めて頑張ってまいりました。それだけに、日本の再生を果たすための知恵もまた大阪にあると信じております。
 他のどこにもない大阪の良さ、「強さ」、「やさしさ」、「魅力」を最大限に活用し、「世界に向かって輝く大阪」の実現をめざし、府政を推進してまいります。
門真市
 役所の論理でなく、社会を変えようとする地域の生活者による地域の活力アップの動きが、力強く育とうとしております。こうした一人ひとりの多様な力を束ね、更に一つの大きな力に育て上げ、時代の歯車を動かすことが、地方自治体の役目であります。そして、私自身がその先頭に立ち、地域のニーズを府、国につないでいくことで、地域主導のボトムアップ型政策形成を実現していきたいと考えております。
 私は市民の皆様と、一緒に進む新時代への第一歩に際し、当面次の二つを基本目標に、市政を推進してまいりたいと存じます。

大阪府
 第一は「タフでたくましい大阪」です。
 大阪には、産業・人口・知的財産の集積、関西圏の大市場があり、関西国際空港をはじめ、国際都市として機能するための都市基盤も備えています。とりわけ、中小企業には、実績・人材・技術力が豊富に存在します。
 これらの実力を引き出し、活かして、日本はもとよりアジアの中で存在感を発揮できる競争力のある都市をめざします。
門真市
 まず第一の目標は「たくましく希望あふれる門真」を築くことであります。本市がたくましさを取り戻していく為には、経済の再生がまず第一であります。残念ながら中小企業や地方経済には、まだ景気の回復感が乏しく、穏やかな回復基調を、辿っている我が国経済から、置き去りになっている感があります。産業の構造転換の遅れなどにより、相対的にその地位の低下が、目立ちはじめております。
 例えば、産業構造を見ましても、情報関連など、付加価値の高い産業に、比重を移した他都市との格差は広がりつつあります。また、かつては高い水準にあった事業所の新規開業率も、今や廃業率を下回る状況にあり、この様な門真の現状を見る時、まず我々は、こうした事実を、正面から見据えなくてはならないと考えます。
 確かに門真市は、田園都市から大阪のインナーエリアとして、新しい多様な価値観を身につけながら、松下グループ三洋電機に代表される家電産業の街として、これまで層の厚い中小企業に支えられ、その機動性と先見性に富んだ進取の気風から、数々の新製品を生み出し、発展をとげてまいりました。産業人口、知的財産の集積もあり、恵まれた交通の結節点も備えています。しかし、大競争時代の中で、過去の成功体験にとらわれ、手詰まりになっていては、新たな発展を期待することは出来ないのであります。
 門真がこれまで培ってきた起業家精神を生かし、技術力や企画力を育むと共に、生活の豊かさにつながる、新たな産業分野も開拓しながら、本市の構造改善を急ぐ事が何より重要であります。
 「市政の再生」「市財政の再建」は、経済の再生をも追い風にもたらされるものであり、今後の市政推進に当たりましても、民間の活動を、最大限活性化する為の、条件整備を基本に、自らの改革も強力に進めてまいります。民間活力の再生と、市政が良き循環の関係を形づくり、門真市の活力がよみがえってくるよう、意を用いてまいりたいと存じます。

大阪府
 第二は「府民一人ひとりが生きがいをもって暮らせる大阪」です。
 大阪には、大都市でありながら、一人ひとりの人や地域とのつながりを大切にする精神が今もしっかりと根付いています。この精神が、大阪弁で言う「世話焼き」から生まれる相互扶助の伝統へとつながっているのです。これは、首都東京が決して持ち得ない大阪ならではの良さです。
 大阪に住み、働くすべての人の満足を指標に、大阪の良き伝統を活かし、人が主役の、豊かな暮らしができる都市をめざします。
門真市
第二の目標は、「市民が生き甲斐の持てる優しさのまち“門真”」を築くことであります。
 私は、21世紀を優しさの時代と考えております。大阪は、歴史的に自主自立の気風があります。門真市でも、その流れをしっかりと受け継ぎ、相手の立場を思いやり、互いに違いを認め合い、助け合う精神を育んできた町です。
 人を大切にする、地域のつながりを大切にする精神、公民協働の伝統などが、しっかりと根付いています。
 こうした優しさを是非、次代に引き継ぎたいと考えております。これは、「追いつき、追い越せ」「成長に次ぐ成長」と言われた20世紀の価値観を超え、21世紀の都市のありようを示していると考えます。「命を大切にする・一人ひとりの生活を大切にする・全ての人を大切にする」という思いをみんなで共有し、女性も男性も多様な選択肢の中から、自分に合ったライフスタイルを自己決定する。そういったことが、ごく当たり前の事として定着し、そして市民一人ひとりが生涯を通じて、健康に生活できる、そんな門真市を築いてまいりたいと思っております。
 また、少子化が進む中で、未来の担い手である子供たちの個性を、社会全体で優しく育む仕組みづくりも「すこやかネット」などの地域ネットワークを柱に、今後、更に発展進化させていかなければなりません。
 また、これからの門真の発展を考えるとき、都市の再生は重要な課題であります。その際には、環境に優しい、また人に優しいという視点に立ち、資源循環型社会の構築や、ユニバーサルデザインの発想を生かしたまちづくりを推進してまいります。

大阪府
 第三は「世界の人が訪れたいと思う大阪」です。
 大阪には、歴史的に繁栄してきた都市だからこそ、長年にわたり蓄積されてきた、まちの個性や歴史・文化の伝統があります。「知恵」、「ユーモア」、「進取の気性」など人間の魅力もあふれています。
 これらを活かして、さらに磨きをかけ、「住んで良し、訪れて良し」の都市魅力や集客・交流の仕掛け、新たな情報や価値の発信力を備えた都市をめざします。
門真市
 <該当なし>

大阪府
 続きまして、只今お示ししました基本目標の実現に向けて、当面重点的に取り組む方向について、平成16年度当初予算案を中心に申し述べたいと存じます。(以降省略)
門真市
 私は、以上二つの基本目標の実現に向け、全力で取り組む決意でございますが、市政運営を行う上で、私のとるべき姿勢として、特に次の三点に留意してまいりたいと存じます。(以降省略)