JASRACの私的録音録画補償金制度のCM(4)

JASRAC私的録音録画補償金制度のCM
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050921/1127234680
JASRAC私的録音録画補償金制度のCM(2)
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20050927/1127759116
JASRAC私的録音録画補償金制度のCM(3)
http://d.hatena.ne.jp/okeydokey/20051004/1128357385

JASRACの私的録音録画補償金制度のCM(2) - 言いたい放題
JASRACによる私的“録音録画”補償金制度のCMの詳細を紹介しましたが、
今回はJASRACの私的録音録画補償金制度のCM(3) - 言いたい放題で軽く紹介したCMについて。
まずは前回の訂正、今回紹介するのは「私的“録音”補償金制度」のCM。
タイトルはタイトルとして訂正しません。


それではまず、そのCMから。

JASRAC
MD1枚で約4円、MDレコーダー1台で約400円。
実はこれ、皆さんにお支払い頂いている私的録音補償金の金額です。
昨年はJASRACを通じて日本の曲、外国の曲、のべ41万曲それぞれの作り手にこの補償金が届けられました。
家庭などで音楽を自由に録音できるのも、私的録音補償金制度があるからです。
私的録音補償金制度にご理解、ご協力をお願いします。
JASRAC 日本音楽著作権協会

私的録音録画補償金制度のCM」と異なり、前半の駄洒落コント?がなくなり、
40秒すべてが制度の上記のような制度の説明にあてられています。
きちんと説明されているこという点においては、「私的録音録画補償金制度のCM」よりは良いものといえそうです。


内容についてですが、まず「MD1枚で約4円、MDレコーダー1台で約400円」については、
まさか情報が間違っていないとは思いますので、そうなんですか、ときいておきましょう。
「MD1枚で約4円」については少し前に、
続・私的録音補償金返還申請をしてみた人のにっきの紹介 - 言いたい放題で紹介した人の受けた返金額と一致します。
それにしても、MDレコーダー1台で約400円って結構しますね。8000円の消費税額と同じ。


次に「昨年はJASRACを通じて日本の曲、外国の曲、のべ41万曲それぞれの作り手にこの補償金が届けられました。」
「“のべ”41万曲」が多いのか少ないのか、ちょっとよくわかりませんが、
きちんと権利者に還元されていることが大切でしょう。


まぁ、ここまではいいです。問題は最後、
「家庭などで音楽を自由に録音できるのも、私的録音補償金制度があるからです。」
私的録音補償金制度がなくたって、家庭などで音楽を自由に録音することはできます(30条1項)。
ただ、デジタル方式(のうち一部)については、補償金を支払う必要があるということ(30条2項)。
この後段部分の合理性は今様々なところで、議論されているので、ここでは割愛しますが、
制度があるから「家庭などで音楽を自由に録音できる」という説明はちょっと疑問。
すくなくとも、デジタル方式でなければ関係ないわけですし、
私的録音補償金制度がなければ、私的録音を正当化できないというものでもないように思います。
まぁ、権利者側の理論でいえば間違ってはないのかもしれませんが…。


CMの内容はいいのかどうかという点については、私的録音補償金制度について争いある以上避けられませんが、
これでそういう制度があることを知らずにお金を払っているという詐欺的状況は避けられるでしょう。
そうなれば、疑問声がもっと増えるかもしれませんし、支持する声もでてくるかもしれません。