人権議論としては興味深い。

「実の父」開示に壁 9割、精子提供は匿名で
 夫以外の第三者精子を使った非配偶者間人工授精(AID)で、精子を提供した人(ドナー)の3分の2が「子供が自分に会いに来る可能性を言われたら、提供しなかった」と考え「提供は匿名のままが良い」も90%近くに上ることが9日までに、厚生労働省研究班(主任研究者・吉村泰典慶応大教授)の調査で分かった。AIDドナーの意識調査は初めて。
 AIDによる出産は、1948年の第1例以降、1万人以上とされる。
 厚労省の生殖補助医療部会は2003年にまとめた報告書で、15歳以上の子供に「自らの出自を知る権利」を認め、希望に応じ「遺伝上の父」の氏名や住所を開示すべきだとした。しかし法整備は異論続出で宙に浮いており、調査結果は今後の論議に影響しそうだ。
共同通信) - 5月9日14時4分更新
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050509-00000093-kyodo-soci

生まれてきた子の「自らの出自を知る権利」と提供者の知られない権利。
生まれてくる子には何らの選択権がない以上、
知られるかもしれないということのリスク?は、提供者の側で負うということも考えなくてはならない。
一方でどうしても夫以外のもので子を生まざるを得ない人がいることも否定できない。
その方たちの家族形成の決定権をどうこういうつもりはここではないが、
だからといって生まれてくる子を無視して良いかというのは難しい。
匿名制が失われると現実的な実現性が失われるかもしれない。
しかし、子どものそういう権利を犠牲にしてまで、そうすることはどうなのか検討する必要がある。
親にとって子を持つことが重要であるのと同じく、子が親が誰であるかということもまた重要なのである。
精子であれ提供する以上は、子がそれが誰であるか知るかもしれないことは、覚悟しておかなければならないと思う。
それが(遺伝上の)親の責任とも思うのだがどうだろうか。