?土浦市教委は大丈夫か?

文集:個人情報? 茨城・土浦市教委が図書館から回収 
毎日新聞 2008年7月5日 2時30分(最終更新 7月5日 2時30分)
 茨城県土浦市教育委員会が、市立図書館が所蔵する児童生徒の文集を回収していることが分かった。「文集は個人情報に当たる」が理由。図書館は既に閲覧を差し止め、回収に応じる方針。他人に見られる前提で書かれた文集が個人情報に当たるのか。また行政が図書館の資料を撤去できるのか。専門家から市教委の対応を疑問視する声が出ている。
 文集「つちうら」は教員でつくる「市教育研究会」が66年ごろから毎年発行。市内の児童生徒が書いたさまざまなテーマの作文の中から優秀作を選び、校名、学年、氏名も掲載している。00年発行の33集では、日々の生活で感じたことや家族とのふれあい、部活動の思い出などがつづられている。
 作品の掲載は原則保護者の同意を取り、希望者には販売もしている。教員らが「お手本にしてほしい」と、図書館に寄贈することもあり、現在計10冊が蔵書となっている。
 毎日新聞が4月、取材のため、図書館が所蔵していない年の文集の開示を市教委に求めたところ、市教委は「個人情報に当たる」として拒否した。その後、市教委は図書館に所蔵文集の撤去を求めた。
 市教委の斎藤優子指導課長は「文集は不特定多数に公開しているわけではない。内容は思想信条に値し、図書館に置くべきではなかった」と説明した。市立図書館の高野秀男館長は「市教委の意向に従った」と話している。
 ◇「過剰保護では」
 個人情報に詳しい国立情報学研究所の岡村久道弁護士は「文集は他人に見られるものであり、敏感な個人情報は載せない前提で作られているはず。個人情報の名を借りて情報を隠す『過剰保護』と言われても仕方がない」と指摘。そのうえで「市教委は(文集が取材に使われることで)問題になったらどうしようと考えたのではないか」と話した。
 一方、司書らでつくる日本図書館協会は、図書館の資料収集や提供の自由、不当な検閲に反対することを定めた「図書館の自由に関する宣言」(54年採択、79年改訂)を決議している。松岡要・同協会事務局長は「図書館は独立して資料の選定にあたる責務がある。行政が図書館の所蔵に立ち入って判断するのはおかしい」と述べた。【山本将克、原田啓之】
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20080705k0000m040137000c.html

文集が個人情報にあたるのであれば、そもそもそういった文集を作ったのが誤りである。
斉藤課長のいうように、「内容は(開示すべきでない)思想信条に値」するのであれば(()内は引用者)(もっとも、これ自体個人情報とはいわないだろう。)、
そういった内容を文集に掲載することはそもそもの誤りだったということになる(しかも66年ころからずっと…)。
そういう主張であれば、この点について、教育委員会としてはどのように対処するのだろうか。
また、これは文集であって、刊行を予定したものである。「文集は不特定多数に公開しているわけではない。」というが、市内の児童家庭を対象にしているのであれば、
もはや個人情報との関係では不特定多数というべきだろう。それに同意があるのであれば、なおさら公開は問題ないというべきである。
むしろ、刊行されることによる表現の自由の価値も看過することはできない。これは児童の表現の自由であり、寄贈された本を管理する図書館の表現の自由の担い手としてのものとしてもである。
この点についても、どのように考えているのだろうか。
文集の内容についてどう利用されるかわからない、ということなのかもしれないが、それはもはや個人情報保護云々の話ではない。
当事者ともいえる毎日新聞の記事を前提にどこまでいえるのかわからないが、岡村先生や日本図書館協会の指摘は、もっともであり、まさに権力の横暴ともとらえかねない行動であるということは自覚しておくべきだろう。

前提事実を含めて、反論があれば反論いただきたい。教育委員会委員長の名前もわからぬ委員会なのは、個人情報保護からでしょうか?>教育長殿
反論は掲載しますので、土浦市教育委員会の方、是非っ。