プロジェクトX(ダメ)

プロジェクトX」事実と違う、取材された高校が抗議
 NHKのテレビ番組「プロジェクトX」で取り上げられた大阪府立淀川工業高校(大阪市旭区)が「『かつて荒れていた』と紹介されるなど、放送された内容が事実と違う」として、訂正や謝罪などを求めて抗議していたことが23日、わかった。
 NHK側は「表現の一部に行き過ぎがあった」としている。
 同校が抗議したのは、5月10日に放送された「ファイト! 町工場に捧げる日本一の歌」。同校に赴任した新人教師が、1982年にグリークラブを作り、全国大会で金賞を取るまでの歩みを伝えた。
 番組は、同校について、「荒れに荒れていた」「年に80人が退学」「初めての合唱コンクールにはパトカーが来た」などの表現で紹介したが、同校はこれらの表現が事実ではないとして、根拠などを尋ねる質問状を提出したという。
 長谷川耕三・淀川工校長は「取材はありがたかったが、放送内容で関係者に迷惑をかけた部分があり、残念。NHKには抗議を申し入れた」と話している。
 NHKは誤りを認め、すでにホームページの同番組紹介コーナーから5月10日の放送内容を削除している。NHKの上滝賢二・経営広報部長は「学校側とは誠意をもって話し合い、了承を得られた内容にしたい」と話している。
(読売新聞) - 5月23日22時3分更新

23日の大阪朝日放送http://asahi.co.jp/move/でも詳細に検証していた。
http://asahi.co.jp/move/calendar/20050523.html
ドキュメンタリーが嘘をついちゃいかんよねぇ。
ちなみに、NHKがホームページに掲載した番組内容は下記の通りである。
ただし、下記は執筆時現在、NHKが一時的に削除しているホームページの内容であること、、
また高校側が報道のとおり、一部内容に虚偽があるとして抗議しているものです。
その点につき、十分留意して下さい。

第171回 5月10日放送
「ファイト!町工場に捧げる日本一の歌」
 大阪府・守口の町工場街。この町に日本一の歌声と呼ばれる合唱部がある。大阪府立淀川工業高校合唱部。合唱の全国コンクールで10回の優勝を誇る名門校。そして、全国で唯一の工業高校にある合唱部である。昭和54年、淀川工業のある守口は不況のただ中にいた。淀川工業もその影響を受け、卒業生の求人が激減していた。生徒たちは、将来への不安からやる気を失っていた。授業をさぼりゲームセンターに入り浸り、バイクで暴走した。問題を起こす生徒が続出、年に80人もの退学者が出た。そこに一人の新人教師が飛び込んだ。国語教師・高嶋昌二、当時23歳。理想に燃えていた。しかし授業中、生徒たちはマンガを読んだり、弁当を食べたりと見向きもしなかった。高嶋は思った。「歌を通して、生徒たちを変えられないか」。高校、大学と合唱部に所属してきた高嶋。歌うことの楽しさ、上達することの喜びを知っていた。高嶋は勧誘を始め、強引に生徒たちを集めた。菓子を与えたり、餃子をごちそうしたりと、あの手この手で生徒たちにやる気を持たせた。3年後、淀川工業高校に合唱部が生まれた。そして、臨んだ関西合唱コンクール。しかし、周囲は眉をしかめた。「淀工のやつらに歌など歌えるのか」。会場がどよめくなか、淀川工業の合唱が始まった。
 番組は、一人の教師の情熱が生徒たちを成長させ、合唱日本一獲得に至るまでの日々を描く。
http://66.102.7.104/search?q=cache:2Lcqug6zO_oJ:www.nhk.or.jp/projectx/171/+&hl=ja&ie=UTF-8&inlang=ja

これが番組の核となるべき重要事項といってよいだろう。その重要な部分に虚が織りまぜられているのである。
多少の脚色は認めるとしても、許される範囲を逸脱しているのは明白であろう。
そのことは名誉毀損の免責法理と比較しても、明らかであろう。
NHK側は「表現の一部に行き過ぎがあった」としている。
しかし、http://www.nhk.or.jp/projectx/:titieでは何も触れられていない。
お知らせコーナー(http://www.nhk.or.jp/projectx/info/info.html)もあるが、NHK出版の出版物を宣伝しているだけである。
トップページ(http://www.nhk.or.jp/)にもそれらしいものはない。
このような番組製作は取材した高校や関係者に対して問題ないのは言う間でもない。
加えて、それを楽しみにしている視聴者も蔑ろにされていることに疑問をもつべきであろう。
これは視聴者に対する背信行為ではないのか。NHK改革は一体なんだったのだ?


政治介入問題もうやむやになっているような気がするが、NHKは今一度報道のあり方を見直すべきである。